サッポロUSA 米国ストーン社を子会社化、北米事業成長に向けた生産拠点を獲得

ストーン・ブルーイング社が展開する商品の一部
サッポロビールの子会社であるサッポロUSA社は、ストーン・ブルーイング社の持分売買契約を締結し、同社を子会社化する。ストーン社の持つビール類販売事業・飲食店事業を取得する。

サッポログループは、北米と東南アジアを重点エリアに位置付けているが、特に米国では「サッポロブランド」が2021年に過去最高売上を記録している。2026年までに海外で1,000万箱を目標に掲げており、米国市場はその中心的役割を果たすとみる。 

北米では、生産拠点の獲得と、新たなブランド価値によるビール事業の拡大を検討してきた。特にアグレッシブな成長に応える生産能力向上、消費地に近いエリアに生産拠点を構えることによる物流コスト削減と品質安定化を実現するサプライチェーン戦略が大きな課題だった。

一方、ストーン社は、1996年にカリフォルニア州で創業し、米国のIPA市場のパイオニア的存在だが、米国の東西に構える2工場の稼働率向上に向けて、製造能力を最大化すべくパートナーを模索していた。 

※IPA=India Pale Ale(インディア・ペール・エール)の略。ホップを大量に使用し、ホップのもつ香りや苦味が一般的なビールと比べて強いのが特徴。

今回、サッポロUSA社がストーン社の2工場を取得することで、これまで「サッポロブランド」の商品供給の多くをカナダとベトナムからの輸入に依存していたサッポロUSA社の物流コストは大幅に削減される。また。2工場の稼働率は現状の約2倍へと改善が見込まれる。

加えて、ストーン社がもつ「ストーン IPA」をはじめとするブランドの取得は、同社の商品ポートフォリオの拡充に寄与し、北米酒類事業の成長を後押しする。「サッポロブランド」の成長を強力に推進しながら、2024年には米国市場全体で約800万箱を目指す。

〈酒類飲料日報2022年6月27日付〉