〈歩留も最終分離を人手にすることで1本47gに〉
公益財団法人日本食肉生産技術開発センターと食肉生産技術研究組合は9日、大手町のKDDIホールで17年度研究開発成果発表会を行い、労働力不足や衛生の高度化に対応したロボット技術などを紹介した。食肉・行政関係者など例年を30人近く上回る約180人が参加した。

冒頭、同センターの関川和孝理事長が、「少子高齢化による労働力不足、働き方改革への対応とともに、食肉生産の維持・向上、安全・安心な食肉の提供に関する信頼性の確保が第一の課題になっている。また国がHACCP導入の制度化をすすめ、今国会で食品衛生法が改正される。食肉では衛生管理の重要性からコーデックスガイドラインに基づく基準Aが求められる。当センターでは、手引書の製作を急ぎ速やかにHACCPが導入されるよう努めていく」と労働力不足、HACCPへの対応に触れてあいさつした。

同会では、〈1〉ロボットによる豚もも自動脱骨装置の実用化=スターゼンミートプロセッサー〈2〉ロボットによる豚ロース・バラ自動脱骨装置=ニッコー〈3〉ロボットによる豚枝肉残毛自動脱毛機の開発(マトヤ技研工業)〈4〉IoTを活用した水圧式自動背割機の開発(マトヤ技研工業)〈5〉と畜・解体ラインの集中管理システムおよび豚自動電撃装置の開発(花木工業)――が発表された。

豚もも自動脱骨ロボット(HAMDASRX、ハムダス)実用化については、導入先であるスターゼンミートプロセッサー青森工場三沢ポークセンターの内澤文明氏が発表した。それによると、同機の採用に当たっては、同センター、前川製作所、同社の3社で実証事業を行い導入実用化に至った。三沢工場での導入の結果、導入前のもも脱骨人員が1時間・120頭処理で11人を配置していたが、導入後はハムダスの前処理(寛骨・尾骨の処理)に4人、ハムダスから出た後の処理(最終分離)と、リワーク(ハムダスで処理できなかったものの処理)の2人の合計6人の配置となり、5人の人員削減ができた。その5人にはハムダスのスピードに付いていけるように他のラインに配置した。効率化では、導入直後は1時間122.4頭の処理だったが、ロットの切替え方法の変更、他のラインとの連携強化など改善を進めたことで、直近の12月には142.8頭までに効率化がはかれた。

歩留りについいても、残肉量はテスト開始時の1本71gから現状では47gまで改善した。これは、最終分離を人手で行うとともに、〈1〉肉厚みの計測機能により筋入れの深さを変更できるよう制御を変更〈2〉バックサポート機能により、もも肉を支える位置をX線での計測結果に基づき個々に変更するようにした〈3〉ナイフの刃先角度を変更し切れ味を良くする――などの改善を行ったもの。

今後については、整形やユーザーごとの規格への対応は人手で対応、枝肉搬送・大分割・各部位の脱骨は機械で処理するとのライン構成をめざしている。関連して、うで部位脱骨ロボットワンダスミニ、ばら部位肋骨自動除去機の導入も検討しており、実際に三沢工場でワンダスミニの実証を行っている。

〈畜産日報 2018年2月13日付より〉