〈豚肉は香港に加えシンガポールも有力視、鶏肉は香港でレシピ訴求〉
日本畜産物輸出促進協議会(事務局:中央畜産会)は23日、東京・千代田区のTKPガーデンシティ御茶ノ水で、17年度ジャパン・ブランドの確立に向けた取組に係る活動報告会「日本畜産物の輸出戦略と今後の展開」を開催した。畜産物の取組みでは、豚肉輸出部会、鶏肉輸出部会、鶏卵輸出部会、牛乳乳製品輸出部会の各分科会からの現状の取組みと今後の活動の報告などが行われた。

同協議会の南波利昭理事長は、「当初43会員だった会員数も現在では174会員まで増えており、これまでオールジャパン・オール畜産を掲げて海外でのPRを積極的に行ってきた。その結果と言えるべき数字が輸出額の増加に表れてきている。昨年1年間の輸出額を見てみても、豚肉が前年比20.4%増、鶏肉が14.8%増、牛肉においてはブランドの和牛を中心に41.4%の増加となった。畜産物全体でみても22.6%増と全ての輸出品目の中でも努力が見られる。これも各々の創意溢れるPRや取組みと、海外の日本畜産物に対する理解と関心が高まってきてこその結果」とあいさつ。その後、各畜産物の活動報告として各分科会がそれぞれ2017年度の取組みを報告した。

豚肉分科会は、海外で実施したPR活動を紹介。オール畜産の活動では、〈1〉 香港FOODEXPO(17年8月17日~19日)〈2〉台湾の高雄国際食品展(17年10月26日~29日)――のイベントに出展した。豚肉分科会としては〈1〉シンガポールのFOODJAPAN・日本人会館PRイベント・現地意見交換会・視察調査(17年10月26日~29日)〈2〉香港のPEC(Pork・Egg・Chicken)合同セミナー・ワイン&スピリッツァフェア・日本豚レストランフェア(17年11月7日~24日)――などを行った。香港のワイン&スピリッツァフェアでは、香港ワインに合うハムソーを中心にPRを実施した。また、日本豚の統一ロゴマークは現在、日本を含む7カ国(香港、シンガポール・台湾・EU・米国・ベトナム)で登録が完了し、カナダに登録の出願中とし、徐々に浸透しているという。豚肉の輸出動向については、2017年度の輸出量合計は646tと、2013年度から輸出量は順調に伸び続けている。輸出量のうち476tを占める香港では、今後もPR活動を積極的に行い輸出量を伸ばしていく。シンガポールでは更なる輸出拡大の余地が現地調査の結果見込めるとして、地元のレストラン業者や現地在住の日本人を通じてのPR活動などに力を入れていきたいと説明した。

鶏肉分科会では、日本畜産物の需要の裾野を広げる取組みや、海外でのPR活動の強化、海外・外国人等への情報発信への取組みについて報告された。香港で国産鶏肉を用いた新たな高級料理市場の開拓を目指し、市場開拓検討会や、香港在住シェフに委託して香港向けにジャパンチキンを使用したレシピ10品目を開発し、その試食会を開催するとともにホームページでレシピを紹介。現地にあったレシピを提供することでジャパンチキンに対する親しみやすさがより増加し、需要拡大に資することが期待されると報告した。

海外でのPR活動の強化として、企画会議を開催後、香港を中心にセミナー・試食会の開催や、現地の有力ブロガーと契約し、ジャパンチキンに関する情報を定期的に発信するといった現地メディアを活用したPR活動を行った。市場調査として、17年10~11月にフィリピンの事前調査を行い、18年2月に調査員4人をカンボジアへ派遣し、鶏肉の需給状況、流通の実態、販売状況等の現地調査を行った。結果、香港ではジャパンチキンに対する理解が深まったとし、フィリピンでは、ジャパンチキンに対する期待が大きく、検疫解禁となった場合に、速やかに輸出できるよう、流通面の整備を指摘。カンボジアでは近年の急速な経済発展の中で、ジャパンチキンに対するニーズも拡大しているとみられ、PR活動を通じて、その理解を深める必要があると説明した。海外への情報発信では、香港、ベトナム、カンボジアでロゴマークの登録・維持管理を実施、香港に開設した協会HPなどジャパンチキンやイベント情報の提供により、理解が一層深まっているとした。

〈畜産日報 2018年3月28日付より〉