カナダ大使館でオンタリオコーンフェッドビーフのセミナー、ブランドの優位性を訴求

OCFAのジョン・ベイカー氏が「オンタリオコーンフェッドビーフ」の優位性・特長を紹介
カナダ・オンタリオ州畜牛肥育家協会(OCFA)は18日、東京都港区のカナダ大使館で、「オンタリオコーンフェッドビーフ」のセミナーを開いた。オンタリオ州の輸出企業で同州産クラフトビールの輸入・販売を手掛けるAMMS JAPAN(株)との共催で、日本の食肉および酒類業界関係者らにオンタリオ州を代表する“2大商品”の魅力を知ってもらうために企画されたもの。当日は、OCFAのジョン・ベイカー氏(ブランドマネジメントディレクター兼ビジネスデベロップメント担当)が「オンタリオコーンフェッドビーフ」(以下、OCFB)の優位性・特長を紹介し、スペシャルゲストとして招待されたバーベキュー芸人、たけだバーベキューさんによるバーベキューがクラフトビールとともに振る舞われた。

この日は、カナダ大使館のキャラリー・ゲリッツ参事官が「このセミナーはOCFBに関するさまざまな情報を得ることができる有意義な時間となる。この機会を通じて、オンタリオ州の畜牛生産者と親睦し、お互いのビジネスの発展にどのように貢献できるか模索してもらいたい」とあいさつ。オンタリオ州政府のデービット・パデュー駐日代表は「カナダ産牛肉はすでに日本市場に出回っているが、OCFBは非常に特徴があり、その名の通り厳しい管理のもと良質なコーンを100日以上与えられている。本日はカナダの夏のバーベキューで最高のコンビであるビーフとビールを味わってもらいたい」と述べた。

〈iTQi優秀味覚賞を受賞、世界が認めた味わいと品質〉
ベイカー氏のプレゼンによると、オンタリオ州はカナダで第2位の牛肉生産地域であり、全国の肥育牛の飼養頭数(280万頭:2014年)のうち23%に相当する60万頭が同州で飼養されているという。また、北米五大湖に囲まれ、カナダで最もコーン生産量が多く、カナダから日本へ輸出される牛肉の30%がオンタリオ州で生産されるなど、オンタリオ州畜牛産業は日本市場と深い関係があると強調した。そして、OCFAにはオンタリオ州の500戸以上の家族経営の農家が登録しており、01年に立ち上げられたOCFBプログラムに基づいて肥育しているという。

OCFBロゴ

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ベイカー氏によると、OCFBプログラムは、〈1〉畜牛の遺伝子〈2〉高品質な飼料素材〈3〉ストレスの少ないマネジメント手法〈4〉動物の健康と栄養――の4つの重要な要素に基づいて飼育管理されている。畜種はアンガスやヘレフォード、リムジン、シャロレーが中心で、プログラムに基づいてコーンおよびコーン由来成分を80%含む飼料を最低100日間給餌することで、ジューシーで風味豊かな高品質な肉質に仕上がるとしている。とくに肉質についてベイカー氏は「iTQi(国際味覚審査機構)2017」で優秀味覚賞の3つ星を獲得するなど、国際的にもその品質の高さが認められていると強調した。

一方、日本市場については「消費者にブランドストーリーを認識してもらうことが重要だ」として、取扱いレストランや販売店に向けた販促資材の掲示やサンプリングプロモーションなどを通じて、▽約500世帯の家族農家が一生懸命愛情を込めて育てたブランド牛であること▽独自の品質保証プログラムで厳格な生産管理を行っていること▽環境に配慮した持続可能な農業を行っていること▽オンタリオ州産コーン中心の飼料により、程よい霜降りとコクのある風味▽健康な体を作るために必要なタンパク質やビタミンB群、亜鉛、鉄分など14の栄養素が豊富で、かつ低脂肪・低カロリーであること――の優位性を訴求していることを強調し、「今後も(日本の業界関係者の)皆さんとともに継続して取り組んでいきたい」と理解を求めた。

〈畜産日報 2018年7月23日付より〉