伊藤ハムが西宮の本社で「2018年秋の業務用商品商談会」、人手不足・人口減少にオペレーション課題の解決提案

利便性の高さが特長の「IQF」シリーズ
〈客単価&客数UP切り口に提案〉
伊藤ハムは18~19日、兵庫県西宮市内の本社で「2018年秋の業務用商品商談会」を開いた。商談会にあわせて18日には専門紙向けに業務用商品説明会を開き、春名公喜執行役員加工食品事業本部事業戦略統括部部長兼マーケティング部部長、近藤玲加工食品事業本部事業戦略統括部マーケティング部業務用企画室室長らが出席した。

今回の商談会では、「未来を見据えた環境の変化と外食中食業界の環境の変化を踏まえて」をテーマに、取引先の“企業課題”解決と商品・企画提案を行った。“企業課題”解決では、“人手不足”に対して利便性の高さが特長の「IQF」シリーズやフライ済みの省オペレーション商品の使用による「オペレーション課題の解決」を提案。“人口減少”といった課題に対しては、「からあげグランプリ」で最高金賞を受賞したからあげ専門店が監修した「名店監修」シリーズ、「サラダチキン」シリーズ、「ハンバーグ」シリーズなどの商品による「客単価UP客数UP」の取組みを紹介した。

「からあげグランプリ」で最高金賞を受賞したからあげ専門店が監修した「名店監修」シリーズ

「からあげグランプリ」で最高金賞を受賞したからあげ専門店が監修した「名店監修」シリーズ

とくにロス削減や省人化をサポートする「IQF」シリーズでは、「燻しベーコン切り落とし500g」「スチームカットチキン5000g」など11月から順次展開する新アイテム4品を紹介。既存の「ベーコン短冊」など10アイテムとあわせて計14アイテムをそろえている。また、家庭用商品で人気の「旨包ジューシーハンバーグ」シリーズを中外食向けの業務用タイプにした「G旨包ジューシーハンバーグ」(発売中)では80g、120g、120gチーズの3品を投入している。「名店監修」シリーズ(11月に加熱済みを先行発売)では、「からあげグランプリ」で最高金賞を受賞した「大分ジョニーのからあげ」「大分中津からあげぶんごや」「元祖中津からあげもり山」の3店が監修したからあげを未加熱・加熱済みタイプで展開する。今年の商談会は本社のほか、東京、中部、北陸、九州、札幌、函館、帯広の各エリアで開催し、合計で2,180人の来場を見込んでいる。

〈上期は家庭用が5%以上の伸びと好調、業務用はハム・ソーが苦戦/春名部長〉
春名部長は説明会の中で上期の家庭用商品を振り返り、「家庭用のハム・ソー市場は、購買金額の前年割れが続くなど厳しい状況にある。そのなかで、当社の家庭用は前年比105%を超えており非常に順調である。また、ハム・ソーだけでも102%超えで、調理加工品も110%を超えている」と好調な状況を説明した。一方、業務用については、「従来2ケタ増の伸びであったが、上期は102%を少し下回る伸びと苦戦している。調理加工品はマーケットの伸びと連動して106%ぐらいだが、ハム・ソーでは重量は前年を超えているが、売上げは前年を割り込むなど単価が安いものが売れている傾向が強い」と述べた。

春名部長(左)、近藤室長(右)

春名部長(左)、近藤室長(右)

今後については、「2020年までは人手不足は進んでいくとみており、オペレーションをいかに簡素化するのかなどの取組みと、客数・客単価を上げるように価値が伝わる方法を提案していかなければいけない。商品力を上げながら、簡便のオペレーションに耐えうるもの。健康的な要素も伸びているので、それを入れながら業務用商品を提案していきたい」と説明。また、「当社は原料調達から加工を行い、完成品までできることが大きな強み。米久と技術面での共有も進んでおり、(生ハムなど)当社と米久の技術を使った商品も提案している。全体としては、家庭用も含めて生産量が上がっている。来年3月にはタイでチキンの加工工場を立ち上げる」と今後の方向性とあわせて、生産体制の強化について明かした。

〈畜産日報 2018年10月22日付より〉