10月の鶏肉需給は、気温の低下に伴って鍋物需要が強まり、また運動会や行楽シーズンも追い風となり、量販店の売り場は国産モモや手羽元を中心に販促を強化。月間通してモモ相場は右肩上がりの展開となった。日経相場(東京)でもモモ肉は月前半に税抜き560~570円で始まり、月後半には580円を付けた。一方、ムネ肉は月間通して270円前後での横ばいの展開となった。

11月はボジョレー解禁や「勤労感謝の日」があるものの、年末年始を前に家庭の出費が抑えられることから、基本的には単価の安い鶏肉の需要は底堅いとみられる。気温低下で鍋物需要がいっそう強まる流れだが、気象庁によると今年は全国的に平年よりも高い気温が予想される。今夏の猛暑や台風など異常気象で秋冬野菜の価格も上昇する見通しで、これまでモモ肉の需要をけん引してきた鍋物需要への影響も心配される。こうした不安要素があるものの、相場は前月の流れを引き継いだ形で、モモ肉はジリ上げの610円前後、ムネ肉は横ばいの280~290円と予想する。
 
[供給見通し]

農畜産業振興機構の鶏肉需要予測(10月24日公表)によると、11月の国内生産量は13万8,200tで前年同月比1.0%増と見込んでいる。一方で、業界予測では全国ベースでは処理羽数・重量ともにそれぞれ2%・1%ほど前年をやや上回るものの、南九州については増体が乗らず、重量は99%と昨対割れの見通しとなっている。また、先月までは東北や北陸の産地でも増体が良くなく、商品もサイズの小さいものが出てきたが、こちらは回復しているようだ。なお、日本種鶏孵卵協会のブロイラー用ひなふ化羽数は前年同月比2.7%減の5,978.8万羽、全国推定羽数は6,212万羽だった。曜日回りや台風、地震の影響とみられる。

一方、11月の鶏肉輸入量は、ブラジル産の減産の影響により、4万7,400tで同16.9%減と予測されている。ブラジル現地船積みは8月から10月は各月で3.3万~3.5万t レベルにあり、これにタイ産や米国産などを含めると4万t 台後半の輸入が続く見通しだ。9月末の在庫は国産が2.8万t(前年同月比5.9%減)に対して輸入は13.5万t(同2.3%増)、さらに未通関玉が9,478t(同40.0%増)と、当初予想よりもあまり減っていない。

[需要見通し]
先月の鶏肉需要は、気温低下に伴って鍋物需要が強まってきたことや、運動会や行楽シーズンで、末端での鶏肉販促の動きも強まり、モモ肉と手羽元を中心に堅調に推移した。動きが弱いのはササミくらいで、下旬に向かうにつれて手羽先、砂肝などの動きも出ている。

ただ、動きが良いのはあくまで生鮮玉の話。ここ数年に比べると国内供給量は多く、冷凍玉については目立った引合いがない。「実際にこちらから提案すると実は手羽先やヤゲン軟骨が少ないという取引先も多い。産地の供給が増えているため、なるべく凍結玉を持たず、フレッシュで回したいという意向が強い」(関東の荷受筋)。このため、アイテムによっては生鮮物と冷凍物の価格差が開くか、冷凍物が全体の下押し要因となる懸念もある。天候次第では輸入品や輸入豚肉との競合も予想される。

[価格見通し]
11月に入り6日のモモの日経相場は589円、ムネで274円となった。600円のラインは目前で、今後、12月の需要期にかけて右肩上がりの相場展開になることは確実といえるが、暖冬や輸入品、豚肉との競合で、どこまで上がるか注目されるところ。モモ肉は一段上げの610円前後、ムネ肉は横ばい280~290円程度、正肉合計で890~900円と予想される。前年同月比ではモモ肉で2%安、ムネで12%安となる見込みだ。

〈畜産日報 2018年11月8日付より〉