〈月間平均では480~490円前後、自力回復は弱いか〉
11月は中旬以降、1日当たり7万頭前後の出荷が続くなか、豚枝肉相場は極端な上げ下げはなく、概ね上物税抜きで400円前後と軟調に推移し、東京市場の月間平均では上物で406円(前年同月比142円安)、中物で381円(同146円安)となった。11月は朝晩こそ寒さが身に染みるようになったものの、東京では「木枯らし1号」が吹かずに12月入りするなど暖かい日が多かったことで、スーパーの精肉販売も鍋物商材中心に苦戦を強いられたようだ。このため、月間通して国産豚肉の荷動きも、バラ、カタロースは堅調だったものの、ロース、ヒレ、スソ物が弱く、卸によっては価格対応やバラとのセット販売でしのいでいる状況となった。

12月は年末需要の強まりが予想される半面、年末にかけて出荷頭数が増えてくること、末端の販促も牛肉や鶏肉にシフトしてくるため、相場の自力回復はそう強くはないと予想される。年明け分の枝肉の手当てが入る19~20日が相場のピークを迎えるが、月の中だるみやセリ最終週の相場の落込みなどを勘案すると、月間平均では上物税抜きで480~490円と予想する。

[供給動向]
農水省が11月30日に発表した肉豚出荷予測では、12月の出荷は前年同月比2%増の149.2万頭と見込んでいる。農畜産業振興機構の需給予測(11月26日公表)は同3.3%増の150.5万頭としている。日本食肉市場卸売協会によると、今年の食肉市場でのと畜業務は27日、市場によっては28日、最終取引は28日。このため、12月4週目(17日の週)から出荷頭数が本格的に増え、最終週は振替休日(一部はと畜業務を実施)もあるため、1日当たり8万頭台の出荷が予想される。取引頭数も第4週後半から最終週の前半がピークとみられる。産地では一部で肺炎の影響が指摘されているものの、現時点では全国的に出荷は順調で、極端な増減はないとみられる。

また、機構の需給予測では、12月のチルド豚肉の輸入量は前年同月比5.8%減の3.5万tと「前年同月を下回るものの、底堅い需要を背景に、過去5カ年平均を上回る」と予測している。前年のこの時期に輸入ポークを強化したスーパーでは今年も継続するとみられ、ロースなどは輸入品との競合も予想され、ダブつき感が強まる可能性もある。

[需要動向]
11月は後半になって野菜価格が値下がりしたことで、鍋物需要の高まりが期待された。だが、実際は暖冬の影響からか鍋物商材どころかグロサリー関係もあまり動かなかったようで、「スライス系のほか、ボリュームが大きい切り落とし、小間材もあまり動かなかった」(関東の大手スーパーのバイヤー)。

2週目となる今週は、週末の販促でバラ、カタロースを中心に一部スソ物の動きも良い。だが、3週目(9日の週)以降は中だるみとなり、スソ物やロース、ヒレなどの荷余り感が予想される。とくにロースは冷凍在庫も抱えているため、価格対応で売りさばいていた実情もあり、苦しい展開も予想される。一方、バラとカタロースはスライス材や年末年始の角煮など下旬に向けて堅調な需要が期待されそうだ。

[価格見通し]
3日の東京市場の相場は上物税抜き429円でスタートした。例年の状況からみると、12月第2週目の今週と4週目後半の相場は自力回復で前者は上物税抜きで440円前後(税込480円前後)、後者については500円前後(同540円前後)と予想される。とくに賞味期限の関係から4週目前半の相場はまだ弱く、年始向けの販売分を手当てする19~20日が520円前後(560円前後)と相場のヤマを迎えそうだ。

その半面、第3週は中だるみが予想され、その時期の出荷頭数、さらに市場への上場頭数によっては400円台前半の局面も考えられる。このため、月間通しでは上物税込で480~490円(税込520~530円)の展開を予想する。

〈畜産日報 2018年12月4日付より〉