〈モモ正肉の年末最高値は650円前後か、ムネは290円前後と予想〉
12月に入り朝晩はようやく平年並みの寒さに戻ってきたが、11月は暖冬で鍋物需要が振るわなかったため、モモ正肉の相場も期待したほど伸びきらず、国産鶏肉相場(農水省食鳥市況)はモモが606円で前月比19円高、ムネは287円・同6円高となった。一部で増体が低下している産地があるものの、全体的に生産・供給状況は順調で、また輸入在庫もあまり減っていないことも影響し、需給が緩んだためだ。

12月は寒さが増すため、鍋物やクリスマスに向けて鶏肉の需要は強まり、相場はジリ高に推移すると考えられる。ただ、12月に入ってからも4日のモモの日経相場では600円を割る事態となっており、月後半に向けてどこまで引き上がるか注目されるところだ。ムネは冷凍需要があるものの、それ以外の上げ要因は乏しく、概ね横ばいと予想される。このため、12月はモモ正肉は630円前後で、12月の最高値で650円に届くかどうか、ムネは290円前後で推移すると予想する。
 
[供給見通し]

農畜産業振興機構の鶏肉需給予測によると、12月の国産生産量は前年同月比0.4%減の14万9,200t、輸入量は同0.9%増の4万6,900tと予想している。一方で、日本種鶏孵卵協会によると、10月分のブロイラー用ひなの出荷・え付け羽数は前年同月比4.3%増の6,643.5万羽としている。

気象庁の季節予報では12月も全国的に平年よりも気温が高いと予想されているが、朝晩と日中あるいは日によって寒暖差が大きいことから、とくに西日本の産地では鶏舎の温度管理が難しく、増体の伸びが悪化しており、これを出荷羽数の多さでカバーしている状況となっている。このため、今後も増体率の伸びが悪化した場合、必要な肉量が取れず、供給が締まる可能性もある。

輸入品に関しては現地相場が値上がりしたこともあり、ブラジル産モモ正肉は荷動きが良くなっているが、タイ産を含めモモ角切りの在庫が多い。底を打った感もあるが、角切りの荷余り感は続きそうだ。

[需要見通し]
11月は気温の暖かい日が続き、鍋需要は思うように伸びず、スーパーの精肉販売についても、ある中京圏のスーパーでは前年の9割も届かなかったようで苦戦を強いられた。12月はクリスマスや鍋物、雑煮用などで小売り、外食、加工用でモモの需要は強まる方向だが、今回は向こう来年2月まで暖冬傾向が続くと予想されているため、前年ほどの盛り上がりはみられない。とくに前年のクリスマスは曜日廻りが悪かった分、今年は3連休となるが、それでも販売数量で前年割れを見込んでいる荷受けもある。スーパーではクリスマス以降は売上げをつくることができる和牛・国産牛肉に販促がシフトするため、尻すぼみの見込みも。ムネ正肉も加工用の需要に支えられるものの、大きな動きは見込まれず、副産物も手羽元以外は価格対応か凍結回しの展開となりそうだ。

[価格見通し]
12月の鶏肉相場は、引続きモモ正肉を中心にジリ高で推移するとみられるが、現状の消費動向を見る限り、下旬の最高値で650円に届くかどうかといったところ。月平均では630円前後と予想される。ムネ正肉も、例年通り中旬に若干の中だるみが予想されるが、概ね前月の相場水準を維持するとみられ290円前後が予想される。ただ、上述のように牛肉や相場安の豚肉との競合も予想され、今後の豚価の動向によっては、鶏肉の相場にも影響がでる可能性もある。輸入品はモモ正肉中心に相場が回復基調にあるが、タイ産のモモ角切りなど荷余り感があり、上げたとしても小幅な上げにとどまりそうだ。

〈畜産日報 2018年12月7日付より〉