農水省は愛知県豊田市で発生した豚コレラについて、防疫措置の状況を発表した。12日午前9時現在までに、豊田市の発生農場、関連農場の田原市の農場、岐阜県の農場、長野県の農場・と畜場、滋賀県の農場において、殺処分、焼埋却、消毒までの防疫措置を完了したと発表した。愛知県では3月2日午前0時に搬出制限区域が解除、3月12日午前0時に移動制限区域が解除される予定。家畜における移動制限は当面継続する予定。また農水省では豚コレラ拡大防止に対する対策の追加を発表した。

大阪府においては、殺処分を完了し、埋却ではなくレンダリング処理を進めている。12日9時までに737頭のうち281頭までのレンダリング処理を終了している。移動式レンダリング装置を用いて、農場で殺処分した豚を順次運搬し、加熱消毒の措置を実施している。加熱処理により、ウイルス除去後の残さを大阪府内の施設で焼却する。殺処分対象頭数は5府県で1万5,000頭以上となる。移動式レンダリング装置による処理は今回が初となる。

農水省では豚コレラ拡大防止に対する対策の追加として、〈1〉わな等の設置支援〈2〉野生イノシシの捕獲活動等の支援〈3〉防護柵の設置支援〈4〉監視対象農場の出荷制限に係る減収対策――を実施するとした。

〈1〉わな等の設置支援では、消費・安全対策交付金として1,000万円を助成する。岐阜県、愛知県のイノシシ捕獲計画の増加に伴う、検査掛かり増し経費などを措置する。両県に1,000万円を追加配分する。

〈2〉野生イノシシの捕獲活動等の支援では、鳥獣被害防止総合対策交付金として2,000万円を助成する。岐阜県には既に2,300万円を交付しているが、2,000万円を追加配分予定。豚コレラ発生県では、交付限度額を撤廃しており、愛知県にも2,000万円を追加配分予定で、長野県、滋賀県、大阪府は従来の交付限度額の範囲内で対応可能だとしている。

〈3〉防護柵の設置支援では、鳥獣被害防止総合対策交付金として、1億8,000万円を措置する。2月6日以降に着工する経費を支援する。岐阜県に1億2,000万円、愛知県に6,000万円を配分予定。今後追加要望があれば対応するとしている。特別交付税措置でも助成されるため、県負担は1割となる。防護柵の設置は2月中、遅くとも年度内の完成を目指している。2月5日以前の遡及は予算上できないとした。

〈4〉監視対象農場の出荷制限に係る減収対策では、家畜伝染病予防費負担金2,000万円から、豚コレラ発生農場と交差汚染の可能性がある全国の農場及び、発生農場の周囲で移動制限をかけた農場に対し、移動制限期間の飼料費などの追加分、売り上げの減少分を補てんする。監視対象農場は11日現在で11府県181農場にのぼる。同一と畜場を使用していた農場など、少しでも接点のある農場を対象としている。移動制限はウイルスの潜伏期間などを考慮し、最終接触が考えられる日から、少なくとも28日間となる。

野生イノシシへのワクチン投与については、専門家での検討を着実に進めている。ワクチンの有効性、イノシシの密度、防護柵の設置状況などさまざまなデータを収集し、農水省が事務局を務める牛豚等疾病小委員会などで検討を行う考えだとした。

ウイルス系統については、岐阜県における1~6例目、豊田市では同一だが、岐阜県の7例目では塩基配列が変異している型だとした。田原市、長野県、岐阜県恵那市、滋賀県、大阪府の系統は今週中に分析が完了する予定だとした。一部の農場では、ウイルス抗体を持った個体も発見されており、ウイルス型、ウイルス分布が解明されることで、ウイルスの侵入時期など感染経路の究明が期待される。

〈畜産日報 2019年2月13日付〉