5月は下旬にかけて出荷頭数が1日当たり6万頭前後まで落ち込んだことで、豚枝肉相場も後半にかけてジリ高で推移した。結果、月間平均相場では上物税抜きで561円、中物で530円と、それぞれ前月から68円・62円値上がりした。

大貫物や重量が乗らないなど上物率が低下していることも相場を押し上げる要因となった。需要面は大型連休明け以降、中部位を中心に荷動きが伸び悩んでおり、動いているスソ物も価格次第ということで、部分肉相場と枝肉相場の乖離が顕著となった。

6月は例年、出荷頭数が減り、相場は高値に転じる時期で、しかも中京圏送りや産地・銘柄指定の関係で必要分を集めなければならず、実需と相場の乖離が一段と進むとみられる。例年ならば来週までに東北北部まで梅雨入りすることで末端消費は一段と鈍ることが予想され、昨年もしくは16年のように2週目以降息切れし、唱えが下落する可能性も否定できない。それでも全体を通して下げ要因は少ないため、6月は上物税抜きで平均590円前後(税込み640円前後)と予想される。

[供給見通し]
農水省が先月10日に発表した肉豚出荷予測によると、6月の出荷頭数は、前年並みの127.9万頭の予想となっており、5月予想の131.8万頭(速報値で128.1万頭・前年同月比7.2%減)から減少する見通し。前年6月は21日稼働と1日分多いため、6万679頭だった。ただ、5月の出荷頭数が当初予想より4,000頭、前年同月比では1ポイント下方修正されたことで、この分が6月の出荷に繰り入れられる可能性もある。

一方、豚コレラや一部の地域のPEDの影響が残るなか、先月後半から季節外れの猛暑日に見舞われた。気象庁の季節予報によると、6月は西日本中心に例年よりも高い気温の日が多いとされている。とくに梅雨入り前の猛暑日が予想され、産地では増体不良などで一段と出荷遅れ、上物率の低下の懸念が高まっている。

農畜産業振興機構の畜産物需給予測によると、5月のチルド豚肉の輸入量は前年同月比3.6%減の3万2,500tと予想。3万t台の輸入が続く見通しだが、中国の需要増加でコストが上昇しており、コンビの関係上、部位によって余剰感も出てくる可能性も。
 
[需要見通し]

上述のように、輸入品は中国の需要増加でコストが上昇しているものの、量販店のチラシを見るとここ1カ月間、売価はあまり変わっておらず、やはり量販店サイドはこの時期の豚価高を敬遠して輸入チルドに販促がシフトしているとみられる。

これに対して国産生鮮物は、大型連休明け以降、ロース、カタロース、バラの中部位の動きは鈍く、6月に入ってもその状況は変わりない。6月はこれといったイベントもないうえに、梅雨入りで豚肉の消費自体も落ち込むため、売り場も切り落とし・小間切れが中心となりがちだ。現状でも動いているのは、ウデ・モモが中心だが、それでも相場なりの販売ができておらず、卸・カット筋の逆ザヤが広がっている状況だ。

愛知では豚コレラの感染拡大を防ぐため、出荷適期になっていない豚を含めた「早期出荷」を実施する予定となっており、品不足を反映して関東から中京圏送りの動きが強まる可能性もある。凍結品ではスソ物の在庫が多い半面、バラ・ロースは比較的浅いことから、輸入フローズンの動向を受けて、荷動きの悪いバラなどは凍結用に売りさばく動きも出てくると指摘する関係者もいる。

[価格見通し]
3日の東京市場の上物相場は税抜き587円(税込み634円、前市比19円値上がり)を付けた。関東3市場平均では税抜き583円で前日比15円高となっている。

出荷予測から見れば、6月の枝肉相場は税抜きでも600円をゆうに上回っても不思議ではないが、末端消費の不振と中間流通の在庫圧迫などの要因から、息切れ・中だるみする可能性も高く、月間平均では上物税抜きで590円前後と予想する。問屋筋では、高級部位の在庫圧迫、採算割れによりカット販売を減らす動きも出てきそうだ。今後の末端消費の動向が読めないため、波乱含みとの見方もある。

〈畜産日報 2019年6月4日付〉