10月12日夜から13日未明にかけて東日本を縦断し甚大な被害をもたらした台風19号は、畜産・食肉業界でも大きな影響を及ぼすこととなった。とくに生産農家の段階では被害の全容がすべて明らかになっていないが、15日午後5時時点で、北関東や東北の食肉処理施設やハム・ソーメーカーでの浸水被害が発生したことを確認している。

このうち、栃木県畜産公社と群馬県食肉卸売市場では施設の浸水被害を受けたという。とくに栃木県畜産公社では、副産物処理施設が半地下に設置されていることから2mの浸水被害を受けており、この影響から14日と15日のと畜業務は休止した。現在、清掃・消毒、機械設備の点検など早急の復旧を目指し作業を進めており、16日にはと畜を開始する予定という(セリは17日から)。福島県食肉流通センターでは、20cm程度の浸水があったが、日曜と月曜日で清掃・消毒を終え、15日には稼働しているという。宮城県食肉流通公社も、一部で浸水があったものの15日には稼働している状況だ。茨城県中央食肉公社では影響はほとんどなく、通常通りの稼働となっている。さいたま食肉市場、東京食肉市場では、道路事情から一部出荷キャンセルがあったものの、と畜・セリの業務に支障が及ぶほどの被害はなかったという。

ハム・ソーメーカーでも被害を受けており、信州ハムでは地元の長野県上田市の千曲川が決壊して市街地に被害が出ているが、同社は一部施設で浸水があったものの、現状ではほぼ生産に問題はない状況という。今回の台風では駐車場やギフトセンターも浸水したが、本社工場は建築時に地盤を底上げしたことが奏功し、工場施設に被害はなかったという。ただ、契約する運輸業者は稼働していても、地元宅配業者で荷物の集配ができないなど物流面で一部支障が出ているという。

滝沢ハムも、栃木市の本社工場事務所が浸水したが、すでに排水作業を終え、15日からは通常営業を行っている。丸大食品では、グループ会社の仙台営業事務所で浸水したものの、現在は復旧作業によって通常営業にもどっている。長野市のマルイチ産商でも、千曲川の氾濫による住宅街への浸水など大きな被害が発生したが、同社に関しては高速道路の一部区間での通行止めによる物流面への影響があるものの、県内外の各拠点では通常通りに業務を行っているという。

このほか、日本ハム、伊藤ハム米久ホールディングス、プリマハム、スターゼンでは、グループ会社を含めて目立った被害は発生していないという。生産関係では、日本養豚協会(JPPA)が15日午後現在でまだ情報が集まっておらず、関係団体に一報入れるよう呼びかけを図るなど情報収集に努めているところだ。

〈畜産日報 2019年10月16日付〉