JAグループさいたま「農畜産物商談会2019」開催、埼玉ブランド牛・豚を紹介、こだわりの飼料などで差別化図る

ミート・コンパニオンは「埼玉武州和牛」を紹介
JAグループさいたま「農畜産物商談会2019」が10月31日、さいたま市の大宮ソニックシティで開かれた(主催:JA全農さいたま・JAバンク埼玉県信連)。同商談会は、埼玉県内の農畜産物や農畜加工品などの販路拡大に取組むとともに、PRを通じて埼玉ブランドの認知度向上を目的に開催した。当日は、計48団体・160品目以上が出展し、訪れた百貨店やスーパー、ホテルなどのバイヤーに向けこだわりの農畜産物を紹介した。

本紙「畜産日報」関連では、▽(株)ミート・コンパニオン▽深谷牛(深谷特撰黒毛和牛振興協議会)/関東日本フード(株)東松山営業部▽むさし麦豚販売促進協議会▽JAいるま野/合同会社所沢ミートセンター▽JA全農さいたま(彩の国黒豚倶楽部)――が出展。

ミート・コンパニオンは、生産者とともに「埼玉武州和牛」を紹介。「武州和牛」の飼養頭数は約8,000頭と県内で最も多く、東京食肉市場(株)を中心に、さいたま食肉市場(株)などの市場に月間300頭ほどが出荷され、埼玉のブランド黒毛和牛として認知されている。飼料には、トウモロコシを多く含む配合飼料の他、オリジナルブレンドの発酵飼料を給餌。一般的な黒毛和牛より長く肥育(導入後20~ 23カ月)することで、柔らかな鮮紅色の赤身に、風味漂う白色のサシが交ざった、きめ細やかな肉質となる。会場では精肉の他、「武州和牛ローストビーフ」も紹介した。

深谷特撰黒毛和牛振興協議会は、25周年を迎えた「深谷牛」を紹介した。雄・雌それぞれに、国産の稲わら、牧草、穀物などを配合した専用飼料を使用。長年培った飼養管理の下、統一した飼料を給餌することで、均一した規格・肉質を実現している。深谷市では深谷ネギをはじめ、野菜や花の生産が盛んな地域として知られるが、地産地消をベースに生産する「深谷牛」を県民に知ってもらおうとさまざまな活動に取組んでいるという。その一環として、深谷のイメージキャラクター「ふっかちゃん」が描かれた「深谷牛オリジナルシール」を作成するなど、認知度向上に取組んでいる。

豚肉では、「むさし麦豚」や「彩の国黒豚」が紹介されていた。「むさし麦豚」はLWDの三元豚。飼料は小麦由来の自家製飼料を給餌しており、バウムクーヘンやパン、うどんなど普段人間が食べている食品ロス(工場で余剰に生産したもの、流通にのらなかったもの)を買い集め、自社工場で加熱乾燥処理したものを与えている。配合飼料を与えた国産豚肉と比べて、柔らかくとろけるような甘い脂身、ロース芯にはサシが入り濃厚な味わいが特長だ。会場では、精肉のほか、ソーセージや餃子など「むさし麦豚」を使った加工品も並んでいた。

「むさし麦豚」を使った加工品を紹介

「むさし麦豚」を使った加工品を紹介

JA全農さいたまは「彩の国黒豚」を紹介。県内5戸の生産農家で「彩の国黒豚倶楽部」を結成し、埼玉県が推奨する埼玉県優良生産管理農場制度に基づき、優良種豚の導入・専用飼料・統一管理のもと、肥育・出荷している。麦類やさつまいも、国産の飼料米といったこだわりの専用飼料を与えることで、筋繊維が細かく、歯切れの良い、柔らかい肉質となる。最近では、県内の量販店で特売フェアが組まれるなど、認知度も向上しているという。今後も、「展示会への出展を通じて、首都圏などに向け、さらなる認知度向上を図っていきたい」(担当者)方針だ。
 
〈畜産日報 2019年11月11日付〉