スターゼングループ・新中期経営計画、中核事業である食肉生産・卸事業の基盤維持・強化

〈食肉加工メーカーとしての基盤強化、グローバル企業展開・代替食肉の取組みも〉
スターゼングループは3月4日、2020年4月1日から2023年3月31日までの3年間の中期経営計画(第82期~第84期)を策定したと発表した。同グループでは、17年10月に18年4月~21年3月末までの中期経営計画を公表したが、想定以上の事業環境変化や業績の現況を踏まえ、新たな中期経営計画を策定したもの。

今回の中期経営計画では、10年後に想定される市場規模やスターゼングループの将来あるべき姿などから実行施策、計画数値を策定するバックキャスティングを採用し、この3年間をさらなる成長のための足固めの期間と位置づけている。スターゼングループがさらなる発展を遂げるため、収益基盤の強化と変化に対応し持続的発展を果たすための基盤構築に注力していく。なお、今後も事業環境の変化に迅速かつ柔軟に対応するため、ローリング方式による年次での中期経営計画の見直しを行っていく。

新中期経営計画のテーマを「収益基盤の強化と変化への対応」とし、既存事業の強化(中核事業の収益改善、加工食品事業の再構築) 、次なる成長事業への取り組み (海外事業、代替食肉への挑戦) 、事業拡大に向けた企業インフラ整備(デジタルトランスフォーメーション、業務プロセス改革など) に取り組む。

その中で、6つの基本戦略を掲げ、

〈収益基盤の強化〉では、
〈1〉中核事業(食肉生産・卸事業)の基盤維持・強化=収益力の根幹
〈2〉食肉加工メーカーとしての基盤強化=新たなる収益基盤
〈3〉グローバル企業への展開・代替食肉の取り組み=次の成長領域

さらに、〈持続的発展のための基盤構築〉では、
〈4〉業務プロセス改革=実効性・効率性の追求、
〈5〉コーポレート機能強化=グループ競争力の強化、
〈6〉サステナビリティ経営への取り組み強化=社会の一員としての存在意義強化
――を進める。

計画数値は、最終年度売上高3,800億円、経常利益60億円、EBITDA(償却前営業利益)95億円とした。なお、過去最高実績は、売上高は2019年3月期の3,512億円、経常利益は18年3月期の72億円、EBITDAも同期の84億円だった。

中期経営計画期間にはデジタルトランスフォーメーション(DX)、業務プロセス改革のための投資を予定している。償却負担により経常利益は抑制されるものの、最終年度で売上高、EBITDAで過去最高を計画した。そのほかの定量目標では、自己資本比率の維持(40%以上)とROEの維持(7%以上)を骨子として、
〈1〉投資実行=戦略投資含め3年で350億円(DX・業務プロセス改革関連、国内外拠点の再整備等)
〈2〉 財務基盤の安定化=DER(負債資本倍率)1.0以下
――を挙げた。

〈畜産日報2020年3月6日付〉