アグロスーパー社、「四元豚」打ち出しさらなるブランドイメージを訴求

左からリカルド・ゴンザレス・ブランドアンバサダー、髙宮マネージャー、篠原大岳セールスマネージャー
〈コロナ禍で変化するマーケットに対応し、リテール向けの提案強化〉
チリ最大の総合食品メーカー、アグロスーパー社の日本法人アンデス・アジア(代表:髙宮アンドレアス・アジアゼネラルマネージャー)は8月26日、都内でメディア向けに今後の新たな取組みや戦略について説明する場を設けた。なお、当日は感染防止のため、少人数での開催となった。

同社は世界66カ国以上にポーク・チキン・ターキーなどを供給しており、その最大の特徴が、各品目ともに100%垂直統合システムが構築されている点だ。養豚では飼料調達から飼育、食肉加工、輸出、販売までの全ての生産工程を自社で手掛けることで、安全性の確保や製品の高品質化と安定化を実現している。長年の輸出実績を誇る日本市場向けビジネスでは、顧客との長期的な“パートナーシップ”の構築に取り組んできた。

髙宮マネージャーは今後の日本市場における新たな取組みについて、「これまでも顧客からは“おいしい”との評価をいただいてきた。しかし、『なぜ、おいしいのか』といった背景やストーリー性を求める声も多い」とした上で、「今後は、100%垂直統合システムによるトレーサビリティ、サステナビリティの高さに加え、品種(四元豚)、独自の配合飼料、アンデス山脈から流れ出た飲料水―――といった、要素についても差別化を図り、アグロスーパー社のプレミアム・ポークとしてさらなるブランドイメージを訴求し、認知度向上に取り組んでいく」と述べた。

同社ではLWDの雌豚と、自社独自のかけ合わせによって生まれた種雄豚を交配しており、「四元豚」を謳うことが出来るという。今後、顧客の要望に応え、さまざまなデータや資料(日本語版)などを提供していく方針だという。

その他、新型コロナウイルスによる影響について、「チリ現地でも感染者数の増加から、従業員同士の距離を確保するなど、減産を余儀なくされた。そうした中でも、従業員が不安なく働けるよう工場のレイアウトの見直しを図りながら稼働を続けることができた。生産能力も回復し、9月生産分からはコロナ以前の水準まで回復している」。

コロナによるマーケット環境の変化への対応では、「従来、地方のハム・ソーメーカーや業務用卸、外食事業者が主要なユーザーであったが、コロナ禍においてリテール向けの販路も開拓している。今後、リテール向けについてもバラやスペアリブ、トントロなど規格・歩留りの良さを訴求し、顧客との長期的な取組みを重視した提案を行っていく」としている。

〈畜産日報2020年8月28日付〉