日本養豚協会(JPPA、香川雅彦会長)は、福島県、山形県、宮城県における豚熱(CSF)ワクチン接種に伴い、種豚生産者(個人生産者、法人生産者、ハイブリッド生産企業など)に対して緊急アンケートを実施し、その調査結果をまとめた。

現在、東北地方にはGP農場・GGP農場が多く所在しており、ワクチン接種推奨地域が今後さらに拡大すれば、非接種地域にも種豚や精液の流通において大きな影響を及ぼすことが懸念されている。同調査は種豚生産農場が多い東北地方でCSFワクチン接種を実施することによって、種豚流通および肉豚の生産にどのような影響があるかを調査したもの。

東北地方の種豚生産者を中心に、育種・改良部会、国産純粋種豚改良協議会、各県試験場など、種豚生産に関わる生産者、団体など62件に対してアンケートを実施し、37件で回答を得た。なお、回答は種豚生産者が62%、試験機関が35%、その他が1%となり、地域分布は種豚生産者でも比率に大きな差はなく、北海道・東北と関東で60%強の回答を得ている。調査結果は以下の通り。

〈種豚・精液の供給地域〉
種豚・精液の供給では、他県に販売している生産者が48%、全国に販売しているが33%と、約80%が県を超えて種豚・精液を販売している。

〈ワクチン接種の有無とその影響〉
ワクチン接種については、約半数の生産者で接種済み、一部接種を合わせると約70%が何らかの形で接種している。2019年以降のワクチン接種による影響の有無について、「影響あり」と回答した生産者が55%と約半数を占め、さらに、実際にワクチンを接種している生産者では約70%が影響があるとした。

主な理由として、
▽非接種地域への供給ができなくなった
▽輸送コスト増
▽農場新設
――などが挙げられた。

農場がワクチン接種をすることになった場合、「今まで通りに種豚・精液を供給できるか」の問いには、57%の生産者が「不可能」と回答。一方で、「可能である」とした理由では、
▽県内のみに供給
▽非接種地域に種豚場がある
――などの回答があった。

また、供給の可否について「不可能」「無回答」とした生産者に、供給への影響の度合いを聞くと、無回答が多かったものの、回答のなかでは、「80~99%」の影響が18%、「60~79%」の影響が18%となり、次いで「20~39%」の影響が14%と、平均すると約60%以上の影響があることが考えられる。

今後の対応について、全国接種を望む声が80%ともっとも多かったほか、マーカーワクチンの接種による識別を求める声が多くみられた。

〈畜産日報2020年10月26日付〉