〈黒豚子取り用雌豚の飼養頭数7.1%増、第5系統豚造成でさらなる品質向上へ〉
鹿児島県農政部畜産課によると、2019年の黒豚と畜頭数は、2018年比1.3%減の29万7,667頭となり、2000年以降、約20年ぶりに30万頭の大台を割った。2006年には48万頭台まで増加していたものの、一般銘柄豚との競合や高齢化・後継者不足による離農を背景に、近年、減少傾向で推移している。

2019年の県内の肉豚と畜頭数は、2018年比0.1%減の269万1,153頭(農水省畜産統計調べ、県外産も含む)と概ね前年並みとなった。うち、県産黒豚のと畜頭数は2018年比1.3%減の29万7,667頭(県畜産課調べ)となり、結果、県内のと畜頭数に占める黒豚の割合は11.1%と前年から0.1ポイント減少した。

一方で、黒豚の子取り用雌豚の飼養頭数(2019年現在)は2万4,482頭と2018年比で7.1%増加した。県畜産課ではこれらの主な要因について、「19年の県内の肉豚と畜頭数は横ばいで推移したが、黒豚については2018年の子取り用雌豚の減少などの影響でやや減少した」としている。

2020年については、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、関係者によると「『かごしま黒豚』の枝肉販売価格は、内食需要の増加によって例年と比べ極端に下がってはいないものの、飲食店やホテルなど外食需要の落ち込みによる影響が出ている」という。こうした状況下において、鹿児島県黒豚生産者協議会では県が造成した系統豚を活用し、高品質な「かごしま黒豚」の生産・供給に努めるとともに、各種PR活動や販売指定店制度の推進により、消費拡大を図っている。

さらに、県畜産試験場では、30年までの完成を目指し、新たな第5系統豚の造成に着手し、「かごしま黒豚」のさらなる品質・ブランド力の向上に取り組んでいるところだ。

また、豚肉輸出の取り組みでは、県内の食肉輸出事業者などで組織される県食肉輸出促進協議会と連携しながら海外食品展示会・商談会への参加や販売指定店の取り組みを推進している。なお、2019年度の県内からの豚肉輸出量は2018年比21%増の268t(香港64%、シンガポール31%、マカオ5%など)、このうち黒豚(海外での統一名称:「KAGOSHIMA KUROBUTA」)は2018年比35%増の50t(シンガポール82%、香港16%、マカオ2%)となった。

〈畜産日報2020年11月16日付〉