「FOOMA JAPAN 2021」4日間で来場2万2420人、段ボール開梱の自動化、安全面に特化したスライサーなど紹介

なんつね「ABOT M1」
食品機械を中心に食品製造プロセスのすべてを網羅した展示会FOOMA JAPAN 2021(国際食品工業展)が6月1日から4日まで、愛知県常滑市の愛知スカイエキスポで開催され、4日間で合計2万2,420人が来場した(前回開催の2019年は10万680人)。

なんつねは、自動で精肉の盛り付けを行う自動盛付ロボ「スコーピオン」と段ボールの開梱を自動化する「ABOT M1」を出展。両機種で実演を行い、来場者の関心を集めた。「ABOT M1」は、ファナック社製の6軸ロボットハンドと高精度の画像解析システムを中心に構築されており、サイズごとの仕分けや設定変更が不要でランダム投入が可能。1時間に450箱の開梱が可能で、変形した箱でも正確に開梱することができる。

また、ブース内ではグループ会社のヘラスパイスジャパンのスパイスを紹介。ウインナーなど食肉加工品を製造する時に使用するドイツ製のスパイス、ケチャップ、ソースなど幅広いアイテムをそろえていた。

ワタナベフーマックは「許容不可能なリスクのゼロを目指す」といった特長をもつ「S(エス)ラインシリーズ」を紹介。食肉スライサーでは、使い勝手や清掃のしやすさといった点から安全面と衛生面を両立させることが難しいが、機械の設計段階において可能な限りリスクを見つけ出すなど、3つのステップを踏むことで許容不可能なリスクを限りなくゼロに近づけている。

ワタナベフーマック「Sラインシリーズ」

ワタナベフーマック「Sラインシリーズ」

 
このほか、省人化の提案として、生産性と汎用性を両立した「ギャラクシー(WPN-G321)」とスライスした精肉をトレイに盛り付ける「SR-B・L スイットル・ロボット」を組み合わせたラインや、作業性と安全性を両立した水圧プレス機「WPM-K22ADS-AT」を紹介。水圧プレス機は、材質にステンレスを使っており、丸洗いが可能であるほか、動力源に水道水を使用していることから万が一漏れても異物混入の心配がないといった特長がある。
 
日本キャリア工業は乳製品の切削に特化した「バターフレーカーBF-300」、高さ250mmの原料に対応している「フレーカー F-306」、解凍スペースが確保しづらい現場での処理などに対応した冷凍仕様(-15℃)の「チョッパーGM-F2」などの機種を紹介した。
 
日本キャリア工業では来場できなかった層に向けて、ホームページ上でバーチャル展示会の開設を予定している。オンラインで展示会ブースを体験することができ、製品動画や製品コンテンツなどをみることができる。
 
ヒガシモトキカイ(奈良県山添村)は冷却ノズルを搭載した「バキュームミキサー」を出展。撹拌羽根の回転軸シール部分が簡単に分解できるほか、液体窒素を利用した撹拌や冷却を行うことで、冷却時間の短縮や0℃以下での撹拌が可能となる。液体窒素は日本エア・リキード社製を使用している。
 
〈畜産日報2021年6月8日付〉