6月後半から7月にかけて一服感を見せてきた米国産牛肉の現地卸売価格(カットアウトバリュー)が、ここにきて再び上昇局面にある。

米国農務省によると、直近の週間カットアウト価格(~8月20日)は100ポンド当たり314.8ドルを付け、前年同期比で102.9ドルも高値にある。直近の催事として「レイバー・デー(9月第1月曜日)」の連休需要があるが、例年であれば8月後半には「スーパーの買付けも一巡し、ホリデーシーズンに入るまでは下げ基調にある」(事情筋)という。今週に入ってからはパーツ単位ではやや緩んでいるものの、全体的には高止まりとなっている。

もちろん、現地バイヤーの買付けの遅れも考えられ、日本の関係者にはさすがにピークを過ぎて今週末から来週にかけては一服するのではと期待する向きもある。とはいえ、極端な値下がりも考え難く、輸入筋は9月中旬に予定する10~11月生産玉の価格交渉にどのように影響するか気をもんでいる。

事情筋によると、今回の価格高騰の要因は、折からのレストラン需要が回復基調にあることに加えて、最近のデルタ株の感染拡大に伴うワーカー不足と巣ごもり需要の増加が主な要因という。

このため、リブアイなど高級部位をはじめ、チャックやラウンド関係も上昇(バラはアジア市場の需要で緩やかな右肩上がり基調)、ほとんどの部位で値上がりしている状況だ。とくに116Aチャックロールは直近で5ドルの大台を超えており、前年同時期から1.8ドルも高値にある。

この状況が続けば、年末にかけてのチャックアイのコストにも影響が及ぶ懸念もある。モノによってはクロッドなど、より安価な部位にシフトする手もあるが、もはや日本国内の事情には関係なく、アジアなど国際的な需要の高まりで輸入ビーフ全体のコストが上昇している流れにある。今後、日本の業界としても単なる価格訴求から価値訴求へ、値入れやメニュー価格の見直しなどの対応が求められるところだ。

〈畜産日報2021年8月26日付〉