2月は新型コロナウイルスの新規感染者数が高止まりで推移し、都内などでは月間を通して「まん延防止等重点措置」が発令された。そうした中、外食離れが進み、内食に需要が傾いたものの、豚肉の荷動きは比較的落ち着いていた。

ただ、出荷頭数の少なさや輸入品の供給不安も相まって、2月の豚枝肉相場(東京市場)は月間平均で上物税抜き473円(税込み511円)と前月から5円高となり、前年同月比でも11円高となった。例年であれば不需要期に当たるこの時期に相場は下落傾向となるが、2月は3日の同445円を最安値に、月間を通じて500円近い水準で推移した。

当初、3月6日でまん延防止措置が解除される予定だったが、首都圏や中京圏、関西圏などでは期限を延長する見込みとなった。3月は通常、これといったイベントもなく、春休みで学校給食も停止することなどから相場は軟調な展開となる。

しかし、まん延防止措置の延長で外食業態の不振など先行き不透明な状況が続くことが予想される一方で、出荷頭数の減少が相場を下支えするとともに、引続き輸入チルドの動向が国産枝肉相場にも影響を及ぼす可能性がある。このため、月間平均では、概ね前月相場を引き継ぎ、上物税抜き480~490円(税込み520~530円)前後になるものとみられる。

〈供給動向〉
農水省が2月24日に発表した肉豚生産出荷予測によると、3月の出荷頭数は144.4万頭と前年同月比で5%減少すると予測している。これは前年同月のと畜頭数が151.9万頭と多かったことや年末年始の早出しの反動もあるとみられるが、3月以降の出荷は東北や日本海側を中心とした寒波による増体悪化などの影響が出てくるものとみられる。この結果、2022年第1四半期(1~3月)の出荷は416.4万頭と前年同期を3%程度下回る見通しだ。

農畜産業振興機構の需給予測では、3月のチルド輸入量は前年同月比6.2%増の3万3,600tと予測している。前年同月の輸入量が少なかった影響で前年を上回るボリュームを見込んでいる。ただし、依然として現地高や慢性的な入船遅れで不安定な状況が続いており、今後の入船スケジュールやアイテムによってはタイト感が懸念されるところ。

〈需要見通し〉
まん延防止措置延長による外食需要の低迷、輸入チルドの供給不安など先行き不透明感が強まる中、量販店などでは安定した調達ができる国産豚肉の構成比を高める向きも多く、こうした流れから3月も国産豚肉のニーズは底堅く推移することが予想される。

そうはいっても、不需要期であることに変わりなく、荷動きの中心は安価なスソ物など限定的で、ロース、カタロース、バラなど中部位の動きはイマイチ。春めいた雰囲気となってきたが、ことしは花見といった行楽需要や歓送迎会による需要への期待も薄い。こうした需要環境が続けば、3月はさらに相場高・パーツ安という逆ザヤを懸念する声も聞かれる。

〈価格見通し〉
1日の東京市場の枝肉相場は前市比5円高の上物税抜き487円(税込み526円)、関東3市場(全農建値)の上物平均で485円(税込524円)と高値スタートとなった。3月は少なめの出荷頭数に加え、輸入品が入船スケジュールの遅延や現地工場の稼働率低下などで供給不安定にあること、さらには牛肉を含め輸入食肉の価格が高騰していることを踏まえると、上述の通り、国産豚肉は底堅いニーズに支えられるものとみられる。こうした状況から、3月も相場の下げ要因は少なく、基本的には前月相場から大きく上昇・下降することは考えにくい。

一方で、3月は決算期となる企業が多いことから、一部で投げ物が出るなど下旬にかけて相場は弱含む可能性もあるが、月間平均では上物税抜き480~490円(税込み520~530円)前後と高値を維持するものと予想する。

〈畜産日報2022年3月4日付〉