新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の水際措置が見直され、1日当たりの入国者数の緩和および外国人観光客の受け入れが再開された。これを受け、農林水産省は6月10日、東京都大田区の羽田空港で動物検疫所と植物防疫所合同の広報キャンペーンを実施した。

動物検疫では、家畜の重大な伝染性疾病であるアフリカ豚熱(ASF)が中国をはじめとしたアジア諸国で感染が拡大し、2021年11月にはタイで初めて発生が確認された。これによって、東アジアでアフリカ豚熱が発生していない地域は日本と台湾のみとなった。一方で、植物防疫においては、かんきつ等の生果実の重大な害虫であるミカンコミバエ種群がアフリカおよび中東地域において発生地域を拡大するなど、海外では病害虫の発生地域、被害が拡大している。

アフリカ豚熱や病害虫の侵入リスクが高まるなか、外国人観光客の受け入れ再開に伴い、人や物の動きが活発になっていくことから、動物検疫所・植物防疫所では、海外への渡航者や入国者に対し、海外からの輸入が禁止されている畜産物や植物等の持込防止に係る注意喚起を目的とし、今回、合同で広報キャンペーンを行った。

当日は、日本養豚協会(JPPA)と連携し、動物検疫所・植物防疫所の職員をはじめ、法被を着たJPPA会員らによる声掛けやリーフレット入り広報用ティッシュの配布を通じて、海外渡航者や入国者に対して肉製品や輸入禁止の植物等の持込禁止について注意喚起を行った。さらに、検疫探知犬として活躍するビーグル犬の「絆(きずな)」、動物検疫所のイメージキャラクター「クンくん」、植物防疫所公式キャラクター「ぴーきゅん」も登場し、広報活動が行われた。

キャンペーンの実施にあたり、動物検疫所羽田空港支所の川田良浩支所長は「外国人観光客の受け入れ再開に伴い、これから外国人の入国者が増えてくることが予想される。動植物の病気などの侵入防止の観点から考えると、リスクが高まる状況が続く。関係団体や自治体と協力し、水際をしっかりと守っていきたい」と述べた。

〈畜産日報2022年6月13日付〉