7月の鶏肉需給は、全国的に厳しい暑さに見舞われたなか、季節的に需要が強まるムネは安定した加工筋需要や量販店需要に支えられ、週を追うごとにジリ上げの展開となった。モモは需要こそ弱いながらも、生産コスト上昇や輸入品との兼ね合いもあり、相場は下げることなく、高値推移した。

国産凍結品では、輸入品との価格差が縮まっており、国産にシフトする動きからムネの引合いが強まった。これに対して輸入品は、現地相場高から調達を抑えていたものの、国内の需要動向も芳しくなく、一定水準の払い出しにとどまったもよう。8月も新型コロナ“第7波”によって居酒屋向けなど需要の盛り上がりは期待し難く、現地価格が高止まりするなか、国内の需要動向を反映して調達を増やす向きは少ないようだ。

7月の月間平均相場は、日経加重平均でモモが637円(前月625円)、ムネは340円(326円)と正肉合計977円となり前月比26円高となった。前年同月比ではモモが37円高、ムネが39円高といずれも30円以上値を上げ、正肉合計では79円高となった。

〈供給見通し〉
日本食鳥協会がまとめているブロイラーの生産・処理動向調査によると、8月の生体処理羽数は前年同月比2.9%増、生体処理重量も2.4%増といずれも2%台の増加を見込む。地区別にみると、主要産地の北海道・東北地区では処理羽数は4.1%増、処理重量が3.7%増と全国平均を上回る増加を予測し、南九州地区でも羽数2.9%増、重量1.9%増と予測している。

9月も羽数(1.6%増)・重量(0.5%増)ともに増加基調で推移する見通しだが、全国で猛暑日が続くなか、今後、台風や暑熱の影響で増体不良を懸念する声も聞かれ、秋口の供給は前年を下回る可能性もある。

農畜産業振興機構の鶏肉需給予測によると、8月の国産生産量は13.4万tと前年同月比で2.0%増加すると予測している。前月に続いて14万tを割る見込みだが、6~8月の3カ月平均予測では、0.8%増の13.9万tとわずかに前年同期比を上回る見通しだ。

一方で、8月の輸入量は同0.4%増の4.7万tと予測。タイにおいて現地工場の作業員不足が継続しているものの、8月は作業員不足が徐々に解消して同国からの輸入量が回復に向かうとしている。実際に「価格は高止まりしているものの、オファー自体は以前に比べて出るようになった」(関東の卸筋)との声も聞かれる。

〈需要見通し〉
国産品は夏本番を迎え、ムネ・ササミ中心の荷動きとなっている。モモは夏場が一番の不需要期となるが、月前半は学校給食の停止などもあって需要は一段と緩むものとみられる。

ことしは3年ぶりに行動制限のない盆休みとあって当初は帰省や旅行による人流の活発化が期待されていた。しかし、新型コロナ“第7波”によって、帰省や旅行を控える動きが強まっていることに加え、居酒屋など外食需要の減退が懸念される。その半面、内食需要は堅調に推移することが予想され、価格優位性の高い鶏肉への需要は一定程度あるとみられ、ムネやササミ、手羽先は暑さが厳しい間は引続き、強い引合いが期待される。凍結品では、輸入品の代替需要からムネの引合いが強く、市中在庫も少ないため強含んでいる。

〈価格見通し〉
国産生鮮モモは需要が弱まっていることから、7月からジリ安と予測。ただ、例年であれば8月が底値となるが、生産コストの上昇や輸入品の高騰を背景にわずかな下げにとどまるものとみられる。ムネは引続き安定した需要に支えられることで強もちあいと予測。このため、日経加重平均ではモモは630円前後、ムネは350円前後、農水省市況ではモモは640円前後、ムネは360円前後と予想する。

〈畜産日報2022年8月5日付〉