チーズで付加価値を創出する動きが広がっている。外食では近年チーズタッカルビ、チーズドッグ(チーズハットグ)が流行グルメとして注目され、韓国の鉄鍋料理やアメリカンドッグにチーズを加えることでメニューの価値を上げることに成功。次なるブームの候補として専門店が続々とオープンし、SNSなどで話題が広がりつつある「チーズティー」も、紅茶やミルクティーなどに、ふわふわのチーズクリームをのせて、専門店で1杯500~600円前後で販売され、付加価値の創出を実現している。

〈店舗で使いやすく加工して“ノーマルチーズ”の価値を向上〉
注目すべきは、これらに使われているチーズ。チーズダッカルビについてはシュッレッド(ピザ用チーズ)、チーズドッグはステッペンやモッツァレラ、チーズティーはクリームチーズと、原料チーズの中では付加価値の高いポジションにはない、いわゆるノーマルチーズであることだ。

原料チーズを供給する商社によると、メーカーでは飲食業界の人手不足などを背景に、「今後は“アルバイト店員でも店の味にブレが出ない”使いやすい加工品を充実させ、この加工品に付加価値をつけることで、外食メニューへ幅広く入り込んでいけるとみている」という。

チーズハットグは今年、各地の夏祭りの露店などにも登場する見込みで、消費がおおよそ一巡したらブームは徐々に終息に向かうのでは、との声もある。一方、現在ブームとなっているタピオカミルクティーでも、バリエーション展開のひとつとして提供者がチーズティーに注目している流れがあり、チーズティーのベースとなる素材は今後、業務用筋からの需要が増えてきそうだ。

〈カマンベールとブルーチーズは健康価値でシニア取り込み〉
一方、小売用チーズでは、カマンベールの「認知症予防」という健康価値について、キリンが2015年に発表した研究データ・新たな知見が基となり、テレビ番組を機に大注目され、今や定着している。ブルーチーズも同じくテレビ番組を機に「血管年齢若返り」の新たな価値を根付かせて、今まで食べていなかったシニアを取り込むことに成功している。この両チーズのブームを受け、“健康価値の掛け合わせ”として、カマンベールとゴルゴンゾーラ(ブルーチーズ)を組み合わせたチーズに着目し、これを仕掛けていく動きもある。

〈“カマンベール×ゴルゴンゾーラ”の「カンボゾーラ」に注目〉
先行して市場に広がっているドイツの「カンボゾーラ」は、カマンベールとゴルゴンゾーラの合成語で、表面はカマンベールのように白カビに覆われ、中はゴルゴンゾーラと同様の青カビタイプという、両者の特徴を兼ね備えたチーズ。このチーズの可能性に注目が集まるとともに、消費を突き動かす原動力となっている健康情報、この付加価値に対するニーズがいつまで続くのかにも関心が集まる。
カマンベールとゴルゴンゾーラの特徴を併せ持つ「カンボゾーラ」

カマンベールとゴルゴンゾーラの特徴を併せ持つ「カンボゾーラ」