【食育ルポ】日清食品・チキンラーメン 小麦粉からチキンラーメン手作り体験、食事のバランスを考える機会も

日清食品㈱(安藤徳隆社長)の東北支店営業課は22日、宮城県仙台市内で「チキンラーメンOishii しょくいくスクール」を開催した(上写真)。同スクールは2008年から全国の営業拠点が食品スーパー等の協力の下、小学生を対象に実施しているもの。年間20~30回開催している。大阪・池田と神奈川・横浜のカップヌードルミュージアムでしか体験できない「チキンラーメンファクトリー」と同じ内容が学べる。カップヌードルミュージアムの「チキンラーメンファクトリー」は3か月先まで予約を受け付けているが、休日の予約は直ぐに埋まってしまう。「遠方の方にも体験する機会を提供したい」との考えから実施している。

今回は宮城県の県北を中心に31 店舗を展開するウジエスーパーが協力して開催。「折り込みチラシで告知すると直ぐに応募が集まる。こうした体験型の食育は他ではほとんどないので、貴重な機会」(ウジエスーパー)。

講師の丸山忠雄校長は冒頭、「今から59年前の8月25日にチキンラーメンが誕生して、来年には60周年。発売した当初はお湯をかけるだけでできる『魔法のラーメン』と呼ばれていた。日清食品の創業者・安藤百福さんは48歳の時に、戦後の闇市でラーメンを食べる人を見て、『1杯のラーメンであんなに人が感激するのか』と感動し、簡単に、安全に食べられるおいしいラーメンを作ろうとして、チキンラーメンを生み出した。その当時はほとんどの家庭に冷蔵庫がなかったので、冷蔵庫に入れなくても安全なラーメンという発想が生まれたという背景もある」と、チキンラーメンの誕生にまつわるエピーソードを紹介した。

その後、調理スペースでチキンラーメンの手作り実習を開始。まず、ボウルで小麦粉と水、かん水、塩を混ぜ合わせる(下写真1番目)。混ぜた小麦粉をまとめてから、麺棒で上から生地を潰して、食パン1枚くらいのサイズにしていく(同2番目)。そこからローラーに入れて3~4回伸ばす作業を繰り返す。最初は20㎝程度に生地を伸ばし、50㎝、100㎝、200㎝と生地を伸ばす。そこから切刃で麺状にカット(同3番目)。はさみで麺を切り落としていくことで、まずはストレート麺が完成する。そこから麺をもむ作業で縮れ麺を作り、1食分(100g)を計量。蒸し器で麺を蒸し上げ、蒸し上げた麺にスープ(調味液)を馴染ませる。味付けした麺をリテーナ(金属製の型)に入れ、フライヤーで揚げて水分を飛ばしたらチキンラーメンの完成だ(同4番目)。リテーナのフタの部分には凹みがあり、これが「Wたまごポケット」を作る。

日清食品・チキンラーメン 小麦粉からチキンラーメン手作り体験
実習の後には食育教室を開催。食品を4グループ(①成長に特に必要、②血や肉をつくる、③体の調子を整える、④エネルギーになる)に分け、参加した小学生達に分かりやすく伝えた。その上で、10種類以上のトッピングとチキンラーメンを用意し、「バランスの取れた1杯」になるよう、チキンラーメンとの組み合わせを考えてもらうという実習を行った。

参加した小学生は「楽しかった」、保護者からは「楽しい機会で分かりやすい説明だった」との反応が返ってきた。

〈米麦日報2017年10月25日付より〉