そうめん「揖保乃糸」加工場が新設備導入、省人化・効率化で処理能力アップ

揖保乃糸資料館「そうめんの里」内の加工場に導入された完全自動包装システム
兵庫県手延素麺協同組合(兵庫県たつの市、井上猛理事長)は2019年12月末、揖保乃糸資料館「そうめんの里」内の加工場の設備を一新した。家庭用上級品300g(6把)の加工を主とする加工場で、1997年に竣工、2006年にリニューアルしており、今回の新設備導入により、一層の効率化と品質管理の徹底を目指す。

熟成倉庫で保管されたプラスチック箱入りのそうめんをラインに供給、包装、箱詰め、封函までをすべて自動で行う完全自動包装システムを導入し、以前の設備と比較すると1ラインにつき1分間に2袋(6把包装300g)多く処理することができる。ピロー包装機は計4台設置しており、これまで人手が必要だった原麺の取り出しや製品の箱詰めなどを自動化、作業人数を16人から9人に減らすことができた。計4ラインで年間処理能力は50万箱(300g×30)とする。加工場では製造日ごとの麺水分を測定し、IoTを利用したトレーサビリティシステムにより香りや麺線などの原麺情報をいち早く検査指導に活かしている。

井上猛理事長は「資材の補充や検査の作業をする人が、より作業に集中できるよう、人の負担の軽減を考えた」とする。今後について「迅速かつ的確に業務を行い、最盛期のリパック加工が滞らないよう進めると同時に、将来的に予想されるさまざまな問題にも対応し、安全意識を維持する」と語った。

【工場概要】
▽所在地=兵庫県たつの市神岡町奥村56番地
▽敷地面積=19,605平方メートル
▽建築面積=2,135平方メートル(自動包装加工施工面積255平方メートル)
▽延床面積=3,728平方メートル
▽構造=鉄筋コンクリート造り一部4階建て
▽ライン数=4ライン

〈米麦日報 2020年1月8日付〉