第48回衆議院議員選挙が、自民党・公明党の連立与党の圧勝で幕を閉じた。ただし無所属の鞍替えを除けば、自公とも改選前議席数を落としており、「3度目の信任を得た」と言い切ることができるかどうかは議論の分かれるところ。一方の野党は、公示前の合従連衡を経た結果、立憲民主党が躍進、希望の党が伸び悩んだ。ところが本紙で、いわゆる農林議員(ここでは政府・政党で〝農〟の字のつく役職の経験者を総称している)の当落を整理したところ、表の通りとなり、農政課題が争点となっていなかった選挙戦であったにもかかわらず、総体の結果とは異なる状況が浮かび上がってきた。

目を引く特徴は、落選組に意外に与党議員が多い点だ。特に比例で復活したものの小選挙区では落選したなかに、山本有二氏(自民・比例四国、前農相)や永岡桂子氏(自民・比例北関東、元農水政務官)といった有力議員の名前がある。また全くの落選組のなかにも、西川公也氏(自民、元農相)や中川侑子氏(自民、元農水政務官、元農相夫人)といった名前が見られる。一方で、かつて文科相、自民党副幹事長まで務めたことがある中山成彬氏(九州比例)が希望の党から比例単独で出馬して当選を果たした例もあって、総体の結果とは全く異なる様相を呈している。

ある識者は「例えば西川氏は、党の規約(年齢制限)で重複立候補できなかった。だから本人も恐らく相当の覚悟で栃木2区から出馬したのだろうが、正直なところ選挙にそう強くないと言われていた人だし、農相時代やそれ以前の舌禍事件などの記憶も生々しい。何より相手(本紙註=福田昭夫元県知事、無所属・前)が悪かった。中川氏も北海道11 区で落選、比例復活も叶わなかった。こちらは明らかにスキャンダルが原因。農政課題が争点となっていなかっただけに、ともに農政とは別の、地域的・個人的なことが原因であって、与党も農林も無関係だ」と指摘する。

同じ識者は「総体としては、言われているように〝受け皿〟不足が結果したように見える。だが議席数を落としていることからしても、安倍『政権』は信任を得たのかもしれないが、安倍『総理』が信任を得たわけではないと言える。争点になっていなかった農政について問われれば、農村票はともかく、農業・農協票は確実に落ちていることが露見したと言える。農政問題と無関係とはいえ、特に農協改革などに『待った』をかける人たちの象徴的な人が結果的に落ちてくれたのだから、ここまで強力に推し進めてきた路線を『今度こそ』ブレなく踏襲して欲しいと思う。ただし安倍総理に対する不信にはまだ根強いものがあるから、いわゆる『官邸主導』が弱まることはあっても強まることはあるまい。こと農政問題については実績を作ることで信頼を勝ち獲る途上にあるのだから、そこを貫き通して欲しいと強く願う」とも。

〈米麦日報2017年10月24日付より〉