一般財団法人製粉振興会(梶島達也理事長)はこのほど、「製粉産業を巡る平成29(2017)年10大ニュース」を選定した。同会の広報誌「製粉振興」編集委員会が今年1月に選定したもので、日EU・EPA合意、TPP11大筋合意、SBS方式の運用改善、農業競争力強化支援法の施行などが網羅されている(順不同)。

〈日EU・EPAが合意〉
(2017年)7月、日EU・EPAが大枠合意し、12月最終合意、小麦は国家貿易維持、EU枠が新設。小麦粉、小麦粉調製品ではSBS枠又は関税割当が設定、小麦粉二次加工製品は、年数をかけ関税が撤廃。パスタ関税が段階的に削減され、11年目に撤廃。ビスケットも段階的に6~11年目に撤廃。

〈米国抜きのTPP11が大筋合意〉
米国がTPP離脱を表明。11月に米国抜きのTPP11が大筋合意。小麦のマークアップが9年目までに45%削減(本紙注:2018年1月23日に『3月8日、チリ・サンティアゴで署名式』で合意、関連法案等の国内手続きを経て2019年中の発効を目指す)。

〈総合的なTPP等関連政策大綱が策定〉
政府は日EU・EPA対策を盛り込んだ「総合的なTPP等関連政策大綱」を策定。麦については、体質強化対策として、製粉工場等再編整備事業が盛り込まれ、日EU・EPAにおけるパスタ・菓子等の関税撤廃等に関する国内対策として、小麦のマークアップの実質的撤廃(パスタ原料)・引下げを行うこと等を明記(本紙注:米国産は現時点では対象外。製粉業界では、原料と製品の国境措置の整合性を図るよう要請中)。

〈農業競争力強化支援法が施行〉
製粉業界を含め、農産物を原材料として使用する製造又は加工事業について、事業再編を促進し経営体質強化を図るといった内容を盛り込み、8月に施行。

〈SBS方式の運用改善〉
製粉業の競争力を強化する観点から、原料調達において、より創意工夫を発揮できるよう、全ての銘柄を対象にしたSBSカテゴリーⅢ(年間20万tの枠)が新設(本紙注:2017年度は4回の入札で年間枠20万t全量が落札・契約に)。

〈小麦の国際価格2年ぶり高値〉
昨冬のアメリカにおける大寒波により、アメリカ国内の物流が大混乱し、本船到着が大幅に遅れた。小麦価格は北米主要産地の旱魃により、6~7月に2015年7月以来2年ぶりの高値更新。

〈輸入小麦の政府売渡価格が2期連続の引上げ〉
4月期はハード系小麦の一部銘柄の品質が悪く、良質小麦の価格上昇等により4.6%引上げ、10月期は、米国・豪州において小麦の生育期の降水量が少なく、減収懸念による価格上昇等により3.6%引上げと2期連続の引上げ(本紙注:2018年4月期も引上げの試算あり)。

〈世界の小麦需給 緩和進む〉
USDA(アメリカ農務省)は2017年12月に発表した2017/2018年度世界・主要穀物需給見通しでは、小麦生産は7億5,521万t、消費量は7億4,212万t。世界全体の生産量は消費量を上回り、期末在庫は2億6,842万t、期末在庫率は36.2%と前年より1.7ポイント増加し、世界の小麦需給の緩和が進むとの見通し。

〈民間流通麦の入札で小麦価格上向き〉
平成30(2018)年産国内小麦の入札が実施され、3年連続で購入希望数量が販売予定数量を上回る逆ミスマッチ(▲4.6万t)。全銘柄の加重平均価格は基準価格比108.1%。

〈新たな原料原産地表示制度開始〉
食品表示法に基づく、食品表示基準の一部を改正する内閣府令が9月に公布・施行。全ての加工食品を対象に、原材料として表示される重量割合上位1位の原料を、原則として国別重量順で表示する新たな原料原産地表示制度が開始。猶予期間は平成34(2022)年3月31日まで。

〈米麦日報 2018年1月26日付より〉