「米麦日報」では1月から、各産地の30年産「生産量目安」とその設定方針を連載してきた(1月22日~2月20日付)。生産量が少ない東京と大阪は目安の設定を行わないため、29年産生産数量目標を仮置きして全国の生産量・面積の目安を本紙で推計すると、生産量721万4,789t(29年産生産数量目標比13万5,211t減、29年産主食用米確定収穫量比9万1,211t減)、面積135万9,834ha(同3万166ha減、1万166ha減)となる。

ただし、ここでは教育・試験研究機関用などの数量を可能な限り控除しており、北海道・新潟のように「主食用うるち米」の数量を明確に示している場合は、その数値を用いているため、数字だけ見ると「深掘り」となる。一概に29年産生産数量目標との比較はできない点にご留意戴きたい。また、県全体の「面積」を設定しない「静岡・新潟・三重」と、「数量」を設定しない 「京都」は、公表している数量・面積の一方を29年産平年収量で加除して試算している。

県全体の目安の設定方針は、30年産全国生産量735万tに29年産生産数量目標のシェアを乗じて算出する、いわゆる「シェア掛け」が45道府県中25県と半数以上を占めた。その他の道府県は、過去の在庫量などから適正在庫量を導きだして勘案する方式、生産団体・卸らから生産・販売計画をヒアリングして積み上げる・勘案する方式が目立った。特徴的だったのは神奈川と高知。神奈川は学校給食への供給が不足しているため、学校給食の需要と供給実績との差を期待量として「シェア掛け」目安に上乗せするほか、高知は全国平均を上回る高知県の人口減少率を考慮した補正値を用いているなど、地域の実情に合わせた設定を行った。

一方、地域再生協段階の目安設定になると、先述の「シェア掛け」25県でも、「売れる米づくり要素」(事前契約実績など)を勘案する産地が散見される。また、秋田と徳島は、県再生協から地域再生協への目安設定は“行わない"。両県ともに県段階の目安のみを提示し、地域再生協の自主的な判断に委ねる構えだ。農業者別の目安設定は、多くの産地が「地域再生協に一任」と答えたが、香川のみ「農業者への目安の提示はしない」と回答した。

そのほか、熊本は県段階の「需要見込量」(シェア掛けで算出)を上限とし、再生協別の目安は水田フル活用ビジョンに示されている主食用米の目標作付面積を基本に算定・積み上げて、「作付目安」と名称も変えている(積み上げ数量17万2,121t、面積3万3,844ha)など、設定方針の異なる複数の目安を提示した県や、30年産だけでなく、中長期的な目安を併記した県もあった。

〈米麦日報 2018年2月23日付より〉