(一財)日本穀物検定協会(井出道雄会長、伊藤健一理事長)は2月28日、平成29年産米の食味ランキングを発表した。このなかで、設置された平成元年産から連続で「特A」を獲得し続けていた唯一の銘柄である新潟魚沼コシヒカリが「A」に転落、連続獲得記録を「28年」で終えた。平成29年産米食味ランキングの対象は151産地品種銘柄(28年産141銘柄、27年産139銘柄、26年産133銘柄)で、最高ランク「特A」にランクインしたのは43銘柄。前年産を1銘柄下回っただけでなく、総体にランクダウン銘柄が目立つ傾向にある。だが穀検では、「特Aは2年連続で顔ぶれが大きく入れ替わった。また母数が大きく増えたことも大きい」として、食味悪化との見方を否定している。

対象銘柄は当初150銘柄を予定していたが、山形が2品種で地域区分を分割(2増)し、北海道がきらら397の出品を取り下げた(1減)ため、151銘柄となった。きららは平成元年産から食味ランキングに出品を続けてきたベテラン銘柄で、道産米躍進の先駆的存在ながら、これまた「28年」で連続出品記録にピリオドを打った。151銘柄のうち28年産から29年産にかけて評価に変化がなかったのは86銘柄(特A29銘柄、A47銘柄、A'10銘柄)で、ランクアップ19銘柄(A→特A=11銘柄、A'→特A=1銘柄、A'→A=7銘柄)がランクダウン36銘柄(特A→A=16銘柄、A→A'=20銘柄)を下回った(ほかに新規対象10銘柄)。しかしBランク以下は平成18年産以降、12年連続でゼロ更新が続いており、「必ずしも作柄を直接的には反映しないのが食味ランキング。何よりも母数が増えたことが、栽培管理努力の賜物による良食味化の証左」が穀検の見解。

特A「43銘柄」は対象151銘柄の28.5%にあたり、28年産31.2%、27年産33.1%、26年産31.6%、25年産29.0%を下回ったものの、24年産22.6%、23年産20.1%をいずれも上回っており、高水準の「特A率」であることに変わりはない。しかし会見で伊藤理事長は、「昨年も申し上げたが、特Aの分割、あるいは特Aの“上位”ランクの新設は、今のところ全く考えていない。定着している以上、変えれば大きな影響が出る」としている。なお伊藤理事長は「特AからAにランクダウンした銘柄に対しては、再試験を実施している。結果的に特Aに復活したケースもある。だが今回、特AからAにランクダウンした16銘柄は、いずれもこのダブルチェックの結果として、ランクダウンしたもの。それ以上でも以下でもない」とした上で、魚沼コシについて「私どもは結果を公表しただけ。コメントすべき立場にない。原因を尋ねられても答えようがない」としている。

昭和46年産米から始まった穀検の食味ランキングは、今年で47回目。現在は穀検が選抜訓練した専門の評価員「食味評価エキスパートパネル」20名により、白飯の「外観・香り・味・粘り・硬さ・総合評価」の6項目について、「複数産地コシヒカリのブレンド」を基準米に、これと試験対象産地品種を比較評価する「相対法」によって実施している。基準米と同等なものを「A'」、良好なものを「A」、特に良好なものを「特A」(平成元年産から設置)、やや劣るものを「B」、劣るものを「B'」とランクづけしている。

〈米麦日報 2018年3月1日付より〉