「8万tの需要減を緩めるためのキーに」
農林水産省は26日、コメの消費拡大情報サイト「やっぱりごはんでしょ!」を立ち上げた。前日(25日)に行った記者説明会では趣旨について、「米の需要は毎年8万t減少しており、最近では10万t減る年もある。これを指をくわえて見ていてもさみしい。情報サイトを立ち上げ、これをキーに消費拡大に向けて取り組んでいく。潜在的に米を沢山食べたい人はいるのではないかと思う。家で炊いて食べるより、外食・中食での消費にシフトしており、例えばご飯の大盛りやおかわり無料といった店舗の情報を発信していく」とした。

ウェブコンテンツは多数ある。

△全国のごはん大盛り・おかわり無料の店=グルメ情報サイト「食べログ」が協力。ご飯の大盛り無料等のサービスをしている全国の外食店舗が検索できる。

△旅先グルメご飯=グルメ情報サイト「ぐるなび」が協力。「農林水産省オススメ」の各都道府県のグルメごはんをピックアップして情報提供。

△“わたしたち日本のご飯党"=米の消費拡大に取り組む企業を応援し、その取り組みやアイディアを紹介する。ご飯を提供する外食・中食だけでなく、ご飯に関わる広い取り組みを募集。「拡充させていきたいコンテンツ。広く応募を呼びかけていきたい」(農水省)。

△日本のおむすび全部食べた~い=JA全国女性組織協議会による全国47都道府県のおむすびPRを情報提供。

△米粉の用途別レシピ動画=米粉ならではの調理特製をレシピ動画とともに紹介――等々。

〈記者説明会・質疑応答〉
Q:消費拡大の目標値は。 A:我々としても人口減少の局面で、米の消費がV字を描いて増えていくとは思っていない。まずは、消費の落ち方を少しでも緩やかにしたい。あえて目標というなら、8万tの減少を少しでも緩めることだ。

Q:糖質という栄養素に関して誤解ともいえる情報も氾濫している。どのような情報発信を進めていくのか。 A:糖質制限や炭水化物抜きダイエットの情報が多くある。その一方、おにぎりダイエットやご飯ダイエットといった、ご飯を食べて健康にダイエットをするという取り組みもある。そうした情報を積極的に発信していきたい。

Q:“わたしたち日本のご飯党"にはどのような企業を募集するのか。 A:米の需要が減るというと、生産サイドのことを思いがちだが、米に関係する企業は本当に広くある。外食や中食ももちろんだが、ふりかけメーカーを訪ねると、どの会社も「米の需要が上がらなければ、ふりかけの需要も増えない」と口を揃える。米の消費拡大を期待する方々は広くいて、その取り組みを広く紹介していきたい。

〈コラム・交叉点〉米と砂糖
〇・・・農林水産省は米の消費拡大に向け消費拡大情報サイト「やっぱりごはんでしょ!」を立ち上げた。同時に砂糖の需要拡大情報サイト「ありが糖運動」が設置された。「米と砂糖」、共通するのは「糖質」と呼ばれる栄養素が含まれることだ。近年はとかく「糖質」が悪者にされがち。

〇・・・「大丈夫。夜は糖質摂らないから」、「蒟蒻麺も美味しいよね」、「糖質制限したら5kg落ちた」なんて話を良く聞く。もちろん、糖質を摂りすぎてはいけない。ただ、摂りすぎていけないのは脂質も塩分も一緒である。そして、必要な分をしっかりと摂らなければ体調を崩すという点でも同じだ。

〇・・・「米と砂糖」、一見すると関連性を見いだしにくいが、農水省内においては「政策統括官」が所管する農産物・農産物加工品だ。手を携えて「糖質」への誤解を払拭する情報提供も期待したい。それがかなえば、小麦にとっても朗報だ。

〇・・・なお、「やっぱりごはんでしょ!」と「ありが糖運動」という名称は、農水省の若手職員が考えた複数の候補の中から、𠮷川貴盛農相が選定したそうだ。

〈米麦日報 2018年10月29日付より〉