農林水産省は28日、批判や疑問の声が多かった需要量見通しの算出方法を抜本的に見直し、今年7月~来年6月の需要量見通しを6万t下方修正した。同日の食料・農業・農村政策審議会の食糧部会(部会長=中嶋康博東大大学院教授)で、いわゆる11月指針(基本指針=米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針=の改定)を審議、了承を得たもの。

これまで需要量実績からトレンド(回帰式)で弾き出していた需要量見通しは、〈1〉平成27年産以降、米価上昇が続いていることのほか、〈2〉長期的な視点として2008年(平成20年)をピークに人口が減少局面に入ったことが影響している――ことから算出方法を抜本的に見直した。まず平成8/9年から直近まで22年間の需要量実績を当時の人口で除して1人あたり消費量を弾き出し、ここからトレンドで(ここは変わっていない)2か年の1人あたり消費量を推計。それぞれの推計人口(総務省の人口推計と国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口)を乗じて2か年の需要量見通しを弾き出した。これにより直近の平成30/31年の需要量見込みは736万tになるが、「平成30年産の相対価格が29年産に比べ上昇していることが需要量に及ぼす影響を踏まえて」▲1万t補正し、735万tとした。

需給見通しは、まず昨年7月~今年6月の需要実績(確定値)を7月指針のまま据え置き740万t(739.6万t)とした上で、今年6月末在庫(確定値)も修正なく190万tのままとした。平成30年産米の(主食用等)生産量は10月15日現在作柄に基づく733万tを当てはめた。合算して平成30/31年(7~6月)の総供給量は923万t(前年同期比7万t減)となる。ここまでは例年通りだが、平成30/31年の需要量見込みを6万t下方修正の735万t(同5万t減)とした結果、来年6月末在庫も188万tとなる見通し。平成31年産米の生産量、一昨年までの生産数量目標に相当する部分は、718~726万tと幅を持たせた。

なお、いわゆるTPP11の発効に伴いオーストラリア産がSBSで当初3か年6,000t入って来ることに加え、発効直後の初年度(今年度)は4か月だけかかってくるため月割した2,000tが来年3月末までに入って来ることが確定している(実際にそれだけの量が入って来るかどうかは別問題)。「影響を遮断する」と公言していたため、平成31年産政府米の買入数量は1万t増の「21万t」(20.9万t)とした。ただし最古米24年産在庫のエサ処理量は4~12万tに抑える。

〈米麦日報 2018年11月29日付より〉