3月9日「雑穀の日」前後に「雑穀週間」を展開、日本雑穀アワード2019《一般食品部門》金賞授賞式も=日本雑穀協会

(一社)日本雑穀協会(倉内伸幸会長=日本大学生物資源科学部教授、長澤重俊代表理事=(株)はくばく社長)は3月4~10日、全国雑穀週間を展開中だ。5日には会員イベントを実施。日本雑穀アワード2019《一般食品部門》の金賞授賞式も実施した。

同会は今年で設立15周年を迎える(2004年10月22日設立)。全国雑穀週間は15周年を記念し、雑穀の日(3月9日)を含む1週間に雑穀の魅力や価値を伝えることを目的として実施するもの。

5日の会員イベントの冒頭、倉内会長は「私が雑穀に関わるようになったのは、22歳の大学院生の時で、32年前のこと。最初に研究したのは四国びえで、これは東アフリカのケニア、タンザニア、ウガンダ辺りが原産地といわれている。インドに渡り、ネパール、中国を経て、日本でもかなり古い時代から栽培されてきた。研究では大陸を移動して、環境が変わる中で、どう遺伝形質が変化していくかを調査した。そのためには様々な品種を集めて評価していく必要がある。これが1980年代のことだが、そのころから既に雑穀の品種は減少していた。1990年頃に京都大学の阪本寧男先生が雑穀研究会をスタートさせ、国内外の研究者や生産者がいろいろな活動を始めた。日本では中山間地で雑穀はお年寄りが作っているというころ。私も品種を集め、栽培技術を残せるよう活動してきた。1990年代に入ると、ブレンド雑穀という商品が徐々に広がり始める。2004年には日本雑穀協会ができると聞いて、どういう活動をするのか聞きに行った。すると、雑穀の普及や認定制度をつくるという。これなら私も協力できると思い、信州大の井上直人先生とともに講義を担当することになった。いまでは約3,000人が資格をとり、メーカー、料理研究家、管理栄養士と、それぞれの立場で知恵を絞って雑穀の普及、啓蒙をしてくれている。この15年間の資格制度、雑穀アワードの取組みは、雑穀市場の健全な育成に向け、一つの役割を果たしてきたと思う。これからも協会としての活動を進めていきたい」とした。

また、雑穀クリエイターの田中雅子氏、持田怜美氏が、雑穀の普及に向けた取組みを紹介。雑穀クリエイターの梶川愛氏、雑穀アドバイザーの藤﨑昌美氏、多治見侑加氏の3名によるパネルディスカッションを実施した。

日本雑穀アワード2019《一般食品部門》の金賞受賞商品は以下の通り。

△あ・ぜんNIPPON発芽焼き玄米・あ・ぜんJAPAN(株)
△雑穀のある暮らし 7種の黄色いブレンド・(株)はくばく、3月1日発売の新商品
△雑穀のある暮らし 8種の赤いブレンド・(株)はくばく、同
△玄米と雑穀の黒糖シリアル・ベストアメニティ(株)
△国内産 十六雑穀米(黒千石入り)・ベストアメニティ(株)
△雑穀ぜんざい・ベストアメニティ(株)
△おいしく食べる 十六穀ごはん ~選べる3つの栄養素~・(株)森光商店、3年連続金賞受賞で殿堂入り
△国内産 赤飯五穀米・(株)森光商店、同
△素材の旨味 濃い十六穀・(株)森光商店
△大麦めん すこやか・濱田精麦(株)
△麦ごはん・濱田精麦(株)

〈米麦日報 2019年3月7日付〉