日清食品の「次世代型スマートファクトリー」関西工場が第2期操業開始

日清食品 関西工場
日清食品(株)(安藤徳隆社長)は3月15日、昨年10月に操業を開始した新工場「関西工場」(滋賀県栗東市)のメディア見学会を開いた。同社の新工場建設は1996年の静岡工場以来。関西工場は同社が「次世代型スマートファクトリー」と位置づける新たな基幹工場。このほど、第2期操業を開始してのお披露目となった。12月には第3期工事まで完了の予定で、第3期操業開始後の日産能力は最大400万食、年間の生産能力は最大で10億食となる。総設備投資額は655億円。

関西工場の榎本孝廣工場長は見学会の冒頭、「関西工場は日清食品がこれまでやってきた新たな技術を取り入れようと試行錯誤を繰り返した施設。独自に開発した設備が至る所に取り入れられている」と紹介した。また、即席麺業界初となる「認証パーム油」の使用を3月から開始。「環境に配慮した原材料調達を推進する」(同社)。

榎本孝廣工場長

榎本孝廣工場長

第2期操業までに6ラインを設置。第3期操業までに10ラインを設置し、稼働する予定。製造アイテムは、カップヌードル、日清のどん兵衛、日清焼そばU.F.O.、チキンラーメン、出前一丁、ミニカップ類――等を予定する。ロボット技術を活用し、これまで人力で行っていた確認、検査、原材料や容器など資材の移動の自動化を実現。「特に原材料や容器などの移動の自動化が省人化に貢献した」(榎本工場長)。品質面では不良品の発生率を100万個に1個以下に抑える。原料の搬入から製品の出荷口まで、15か所で機器が製造工程と製品を検査。「確認や検査を自動化することで、ヒューマンエラーをなくし、フードディフェンスも高めた」。工場内は「高度清潔区」、「清潔区」、「準清潔区」の3エリアに区分。外部からの資材は必ず「準清潔区」を通ってから「清潔区」へ運ばれ、開封、仕分け、検査の後、ステンレスタンクに密封してから「高度清潔区」である生産エリアへ移送するという衛生管理を実現した。
 
これらのロボットや検査機器の情報を管理する集中監視・管理室が「NASA室」(NissinAutomated Surveillance Administration 室)だ。設備、品質管理カメラ、電気、水道、人など、工場内の全ての情報を画面上で一元管理できる体制を構築。これにより、ライン内に人が入らなくても、機器の稼働状況や製造工程を映像と数値データから把握し、管理することができる。データは製造後もサーバー内に保存され、製品1つ1つの情報を即時にトレースすることも可能。「将来的にはNASA室に国内外の工場の情報を集約し、製造の管理機能を集約することも想定している」。
 
工場には、カップヌードルミュージアムで人気の体験施設、「マイカップヌードルファクトリー」と見学通路も設置。当面は近隣の小学校の社会科見学などで利用してもらう予定。見学通路は約180m。全長200mの即席麺製造ラインのほとんどを見ることができる。見学会の当日は見学通路から見えるラインでカップヌードルを製造中。カップヌードルは原料投入から約40分で200mを移動しながら製造される。見学通路に入ると、小麦粉、塩、かん水などを練り合わせた生地を伸ばすロール機が見える。そこから、製麺、蒸し、味付け、カット、型詰め、瞬間油熱乾燥、冷却、包装――の工程が続く。通路壁面はアートディレクターの佐藤可士和氏が、同社のコーポレートカラー「NISSIN RED」でデザインした。通路内には工場内の音をサンプリングしてつくったオリジナルBGMが流れる。
 
また、玄関には見学者がつくるシールアートを配置した。縦1.5m、横7.5mの赤いプレートを3枚用意。同社製品やキャラクターのシールを、来場者がプレートに貼って完成していく作品だ。

シールアートを配置したプレート(全体と一部を拡大)

シールアートを配置したプレート(全体と一部を拡大)

〈日清食品「関西工場」概要〉
△所在地=滋賀県栗東市下鈎21-1
△敷地面積=9万9,865平方メートル
△延床面積=11万8,108平方メートル
 
〈米麦日報 2019年3月25日付〉