〈内麦74万t、米粉3.6万t、備蓄96万t、外国産輸入504万t〉
農林水産省は27日、食料・農業・農村政策審議会の食糧部会(部会長=中嶋康博・東京大学大学院教授)を開き、2019(平成31)年度の「麦の需給に関する見通し」を諮問、原案通りの答申を受けた。

食糧用小麦の総需要量は579万t(前年度見通し比11万t増)、国内産食糧用小麦の供給量は74万t(同9万t減)、米粉用国内産米の流通量は3.6万t(同5,000t増)、外国産食糧用小麦の備蓄目標は96万t(3万t増)、外国産食糧用小麦の輸入量(政府からの販売数量)504万tとした。また、食糧用大麦・はだか麦の総需要量は36万t(同2万t増)、外国産食糧用大麦・はだか麦の輸入量(政府からの販売数量)を26万tとした。

食糧用小麦の総需要量は、過去7か年(2012年度~2018年度)の平均総需要量を当てたもので、このうち国内産食糧用小麦の供給量は、2018年の北海道産の不作等を加味した。米粉用米の流通量は、ノングルテン食品需要の拡大などでの市場拡大要素を見た。備蓄数量の増加も、総需要の増加から2.3か月分として導き出している。また、食糧用大麦・はだか麦のも総需要増は、もち麦(もち性はだか麦)の需要増などを反映している。

また、併せて「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」の一部変更(いわゆる3月指針)も諮問、原案通り答申された。主に字句の変更に当たるもので、主食用米の需給見通し数量は11月指針と変更はない。変更箇所は、推計値の算出方法の文を整理したほか、2018(平成30)年産の収穫量を確定値(数量は733万tで同じ)にしたもの。また、11月指針策定時では「予定」であったTPP11、日EU・EPAが正式発効したことに伴う書き換え、これに伴う「CPTTP」(TPP11)の豪州国別枠のSBS方式による輸入と、その数量(11月指針時点では発効初年度分年間2,000t)を2年度目の6,000tに変更したもの。

食糧部会では、山田貴夫委員(日清製粉(株)社長、製粉協会会長)が、諮問案に対し妥当とした上で、「2019(平成31)年度の内麦の供給量が74万tと前年度比9万t減となったのは、北海道産の減収が要因と認識しているが、内麦の需要は堅調に伸びており、実需者としては、ニーズが高い時だけに、生産と品質の確保をお願いしたい。また、TPP11が昨年12月30日に、日EU・EPAも今年2月1日に発効し、実行段階に入っている。TPP11では、豪州・カナダ産のマークアップが9年目までに45%削減されるが、需要の約半分を占める米国産のマークアップ削減はないという、マークアップの不均衡が生じている。これが小麦粉の価格に影響を与えることが懸念されている。米国産のマークアップが早くバランスがとれるものになるよう政府にお願いしたい」とした。

また金井健委員(全中常務)も、諮問案を了解し、「内麦は需要があるのに生産が対応できていないことは認識している。このため、米から小麦への転換が重要だ。内麦優先の原則があり、水田麦のあるべき姿、国際化に向けた対応を検討してほしい。もちろん、麦生産者の所得に影響を与えない支援もお願いしたい」等とした。

〈米麦日報 2019年3月29日付〉