2019年秋の「日本雑穀アワード」、はくばく、シマダヤら5社6商品に金賞/日本雑穀協会

受賞各社の代表と、日本雑穀協会・倉内会長(右端)
〈麺、パン、菓子、弁当と多彩な受賞内容〉
(一社)日本雑穀協会(倉内伸幸会長=日本大学生物資源科学部教授)は10月8日、都内で日本雑穀アワードの『2019「業務用加工食品部門」』と『デイリー食品部門〈2019・秋〉』の金賞授賞式を開いた。今回は業務用加工食品部門で2商品、デイリー食品部門で4商品が金賞に輝いた。冒頭、倉内会長は「先月、台風によりうちの大学でも雑穀がダメージを受けた。今月も古代米とそばの収穫があり、週末(12~14日)に向けてヒヤヒヤしている。ただ、いずれにしてもこの秋も全国の雑穀の収穫に期待したい」と挨拶した。

日本雑穀アワードは2011年にスタート。当初は全国流通する賞味期限の長い食品を対象としていたが、現在では一般食品部門、デイリー食品部門、業務用食品部門、業務用加工食品部門で審査を行う。審査基準は味覚評価(おいしさ)、 雑穀の生かし方、商品としての価値、雑穀普及への貢献。

今回の金賞受賞商品の概要は以下の通り。

【業務用加工食品部門】
△(株)はくばく「冷凍もち麦1kg」
=業務用の簡便調理が可能な冷凍のもち麦。現在はパンの素材や、パスタソースの具材といった、加工食品原材料としての採用が検討されている。もち麦ご飯といった外食・中食向けにも提案を進める。

△シマダヤ(株)“「健美麺」1/2日分の食物繊維がとれる七穀うどん”=大麦・黒大豆・全粒粉・玄米・大豆・もちあわ・もちきび粉を独自のブレンドで織り込んだうどん。独特の色合いと穀物の風味、菱形の麺線の食感が楽しめる。「雑穀を使用した麺はなかなか定着してこなかったが、業務用のメニューとして徐々に採用が進んできた。白飯と麦飯があるように、白いうどんも雑穀うどんもある。長い目で育てていきたい」。

【デイリー食品部門】
△(株)雑穀米本舗「The 穀Sweets 23穀米ガレット」
=同社は静岡県静岡市の雑穀卸。「若い人にも雑穀を食べて欲しい」との考えから、雑穀メニューの提案などを行う。今回は23種の穀物を使用したガレットを発売。楽天市場やアマゾン等で購入できる。製粉企業、製菓企業との協力で製造を行う。ほどけるような柔らかい食感と雑穀の風味が楽しめる。

△シノブフーズ(株)「さば竜田の甘酢あんかけ弁当」=同社の弁当ブランド「真菜ごころ」シリーズの1つ。「もち麦黒米ごはん」と「五穀米ごはん」を使用した。「同量の白米を使用した弁当と比べて糖質15%オフ。たくさん食べても糖質をカットできる商品設計」。

△(株)神戸屋「もち麦ブレッド」「おにぎりぱん(ツナマヨ)もち麦入り」=粒のもち麦をパン生地に練り込んだ。もち麦ブレッドは山型食パンで、1/4枚で食物繊維を5g摂れる商品設計。総菜パンのおにぎりぱんは1個で3.8gの食物繊維を摂ることができる。

〈米麦日報 2019年10月10日付〉