ライス・エキスポ・ジャパンキックオフセミナー実行委員会(門脇基二実行委員長=新潟大学名誉教授・新潟工科大学副学長)は6~7日、新潟市内で「ライス・エキスポ・ジャパン3rd セミナー」を開催した。2020年に新潟で開催予定の米見本市「ライス・エキスポ・ジャパン」に向けたプレセミナーだ。今回は「スマート農業の推進」「米の品質・食味」「米の加工利用」をテーマに、研究者や自治体、ICTメーカー、醸造関連メーカーなどが講演した。本紙「米麦日報」では、(株)ケツト科学研究所技術部・江原崇光氏の講演概要をお伝えする。
ケツト科学研究所・江原氏

ケツト科学研究所・江原氏

穀粒判定器による外観品質の評価新型穀粒判定器「RN-700」について説明。「RN-700」の大きな特徴は、最新の画像分析技術を導入した点だ。作業自体は簡単で、トレイの上に計量スプーン1杯(約1,000粒)の米を広げ、トレイを本体に差し込むと、約20~30秒で測定が完了する。主な測定項目は白未熟粒・砕粒・胴割粒・死米・着色粒の5項目。粒数や割合といった測定結果は内蔵ディスプレイやプリントアウトのほか、PC・iPad からも閲覧可能だ。専用ソフトを使う場合は米1粒ごとの大きさなども数値化され、「炊飯米を一緒にトレイに載せて測定し、どれくらい炊き増えするか測っているお客様もいる」(江原氏)。
 
価格は約58万円ながらシンプル・高精度で、それを支えているのは非常に複雑な内部構造だ。1回の測定で〈1〉透過光、〈2〉反射光、〈3〉スポット光という3枚の写真を撮像する。〈1〉透過光はトレイ下部のLCD で透過撮影、つまり米粒がどれくらい透けるかを測り、形状のほか、白未熟粒などを判別する。なお、測定器にLCD を使ったのは世界初。〈2〉反射光は、トレイ上部に付いている赤・緑・青色のLED ランプ各色18個ずつ、計54個を同じレベルの光量になるように調整し、白い光で米を撮像する。それによって米表面の着色などを判別する。〈3〉スポット光は、〈1〉で認識した米1粒ずつの「半分のサイズ」の光をLCD 上に点灯させて撮像する。いわば米の半身だけ照らすことで、目視ではチェックが難しい胴割粒の検出精度を大幅に向上させた。
 
今年8月まで農林水産省が開催した「穀粒判別器に関する検討チーム」では、令和2年産米から農産物検査機器としての穀粒判別器の導入が決まっている。低コスト・高精度で、いち早く市場に投入された「RN-700」。令和2年産に向け、農水省による仕様確認をクリアすれば、農産物検査現場での一層の活用が期待される。
 
〈米麦日報 2019年11月11日付〉