〈精米全体のうち業務用販売は38%、相対平均価格より安価な銘柄は6ポイント増の78%〉
農林水産省は3月6日に公表したマンスリーレポート2020年3月号のなかで、4年連続となる中食・外食など業務用向け販売実態の調査結果を明らかにした。

それによると、平成30/令和元年の精米販売量総体に占める業務用向け販売量の割合は「38%」となった。27/28年「37%」、28/29年「39%」、29/30年「39%」からすると、右肩上がりとされていた業務用「伝説」にも陰りがみられる。
業務用向け販売割合の高い産地ベスト10

産地別に見ると、前年3位だった福島が1位(61%→65%)、栃木が2年連続の2位(65%→65%)、3年連続1位から転落した群馬は3位(69%→62%)、前年6位だった岡山が4位に浮上(52%→60%)、前年4位だった山口は5位に転落(59%→57%)と、驚くほど順位の入れ替わりの激しい年となった。なお、あくまで業務用向けの販売“割合”の順位であって、“数量”ではない点に留意が必要。
 
銘柄別では、1位宮城ひとめぼれ(7%→7%)、2位栃木コシヒカリ(7%→6%)、3位山形はえぬき(7%→6%)のベスト3銘柄は順位の入れ替わりこそあるものの4年間まったく同じ顔ぶれ。このベスト3銘柄だけで業務用向け販売量全体の約2割を占めた。
 
問題は30年産価格帯別の販売割合だ。前年までは細かく価格帯別に公表していたのだが、今回は「平成30年産の全銘柄平均価格(60kg税込み15,688円)」より上か下かの区分しかないので前年産との比較ができない。「以上」が22%、「未満」が78%。前年は「未満」が72%だったので、絶対値としてはともかく、比較的安価な玉へ流れたことだけは分かる。
 
今年の調査は、年間玄米取扱量4,000t以上の販売事業者を対象に、2018年(平成30年)7月~2019年(令和元年)6月の間に精米販売した数量のうち、中食・外食などの業務用向けに販売した数量を産地品種銘柄別に訊いたもの。
 
ただし、この場合の「業務用向け」とは、コンビニ、スーパー、弁当屋、給食事業などの「中食事業者」と、牛丼・回転寿司などファストフード店、ファミレス、ホテルなど宿泊施設といった「外食事業者」に販売した数量を指すのであって、「小売店等に精米販売し、その後、業務用に仕向けられたものは含まれていない」。
 
また公表のなかで農水省は、「業務用向けには、主に米卸売業者から供給されるが、家庭内食向けには、米卸売業者経由の他に農家直売や縁故米等からも供給されるため、米卸売業者からの供給量のみで作成した当データは、業務用向けの割合が高く出る傾向がある」としている。
 
〈米麦日報2020年3月9日付〉