ラーメン「一蘭」が衛生管理システムの改良展開、 上野御徒町店で「ICHIRAN MODEL」体験

今回訪れた「一蘭 上野御徒町店」のラーメン
「ICHIRAN MODEL(いちらんもでる)」という言葉を耳にしたことがあるだろうか。ラーメン店「一蘭」(株式会社一蘭、福岡県福岡市、吉冨学社長)独自の「味集中カウンター」(特許取得)のスタイルに注目が集まる。COVID-19(新型コロナウィルス肺炎)の影響で、ソーシャルディスタンスの確保が求められる中、既に多数のメディアが紹介している。

一蘭の店舗にはカウンター席しかなく、そのカウンター席は目の前にすだれ、横に仕切り壁がある「味集中カウンター」。本来は「味に集中する」ことを目的としたシステムだが、これに対し感染症の専門家から「飛沫感染予防に効果がある」との評価を得ている。

また、同社は新宮店(福岡県糟屋郡)を衛生強化店舗とし、「一蘭衛生システム」の改良を続ける。国内外にある85店舗の規模は様々なため、すべて同じシステムにはできないが、新宮店に導入した改良システムを既存・新規店舗に可能な限り広げていく考えだ。

今回、同社は6月9日にオープンする「一蘭上野御徒町店」(国内外86店舗目、国内80店舗目、都内19店舗目)の内覧会を実施。実際の衛生管理システムを体験した。

〈開店の経緯〉
COVID-19とは関係なく、徒歩数分圏内にある「アトレ上野山下口店」(36席)に連日行列ができていたことから、「1人でも多くの方に楽しんでいただきたい」と出店を決めた。もっと早い時期の開店を予定していたが、COVID-19の影響もあり、衛生管理体制を強化してオープンする。

〈入店〉
店舗入り口には「ICHIRAN MODEL」の紹介ポスターに続き、「除菌マット」の案内。入店前に芝状のマットでホコリ等を取り除き、マット内のスポンジに含まれた除菌剤で靴底を除菌できる。

「除菌マット」

「除菌マット」

入店するとすぐに「自動アルコール消毒噴霧器」がある。手をかざすだけでアルコールが噴霧され、手指の消毒ができる。そこで上を見上げると医療機器メーカー開発の「空間除菌消臭装置」が置かれている。深紫外線LED技術で、菌やウィルス、アレルギー物質を除菌・分解するシステムだ。「世界最高レベルの空間除菌を実現」(同社)。また、換気システムも改良し、1時間に6回以上、店内のすべての空気を入れ替えている。

「自動アルコール消毒噴霧器」と「空間除菌消臭装置」

「自動アルコール消毒噴霧器」と「空間除菌消臭装置」

〈注文〉
注文はタッチパネル式の券売機から。そばに「お客様用使い捨て手袋」も用意した。どのカウンター席が空いているか、一目で分かる案内板があり、空席があればそのまま2階の客席に向かう。2階にも「自動アルコール消毒噴霧器」を2か所にセットした。

タッチパネル式券売機、そばには「お客様用使い捨て手袋」も

タッチパネル式券売機、そばには「お客様用使い捨て手袋」も

〈実食〉
カウンター席は仕切られた「味集中カウンター」。掃除・除菌・コップの入れ替えなども衛生面を強化し、システム化している。ここでスープの味や麺の硬さを注文用紙に書き込み、それを渡せばラーメンを待つだけ。安心した空間で集中してラーメンを楽しむことができる。

「味集中カウンター」

「味集中カウンター」

一蘭上野御徒町店・大橋嵩平店長は、「この間、『一蘭がやっててくれて良かった』という声をいただき、非常にやりがいを感じていた。今回、さらに徹底した衛生管理を取り入れており、安心してラーメンを召し上がっていただければ」と語る。
 
〈「一蘭上野御徒町店」店舗概要〉
◆オープン
6月9日

◆座席数
25席

◆住所
東京都台東区上野4-4-5

営業時間は、月~木が10時~22時半、金が10時~翌日6時、土曜が24時間で日曜はそのまま22時半まで。ただ、「当面は都の要請などに協力するので、深夜営業はできない期間もある」としている。