「宇宙ビッグデータ米」栽培に神明らが着手、2021年内に「米処 穂」で販売

「宇宙ビッグデータ米」栽培に神明らが着手、2021年内に「米処 穂」で販売
(株)神明(藤尾益雄社長)は4月6日、宇宙ベンチャー「(株)天地人」(てんちじん、東京都港区、櫻庭康人代表)、農業ITベンチャー「(株)笑農和」(えのわ、富山県滑川市、下村豪徳代表)と三社協業で、「宇宙ビッグデータ米」の栽培を開始すると発表した。5月に移植、9月に収穫し、2021年内には神明が手がけるおにぎり専門店「米処 穂(こめどころみのり)」で販売予定。

(株)天地人はJAXA(独立行政法人宇宙航空研究開発機構)の研究者らが設立した宇宙ベンチャー企業で、JAXAの認定を受けている。地球観測衛星のデータを活用した土地評価エンジン「天地人コンパス」を使って気候や圃場情報を解析し、実際には収量などが見込める耕作放棄地などの「ポテンシャル名産地」を発掘するプロジェクトを行っている。なお、同社は2019年12月、(株)神明ホールディングスと業務提携を締結している。また、(株)笑農和は2013年設立のスマート農業ベンチャー企業。スマホで水管理ができるシステム「paditch(パディッチ)」などを手がけている。

そして今回の「宇宙ビッグデータ米」とは、土地評価エンジン「天地人コンパス」を活用して収量が見込める圃場や「より美味しく育つ可能性のある」圃場を発見し、栽培時には(株)笑農和の水管理システム「paditch」を活用するブランド米だ。近年は高温障害が多発するなか、3社は「気候変動に対応したブランド米」として、圃場選びや水管理によって良食味・多収の「宇宙ビッグデータ米」を実証していくとしている。

〈米麦日報2021年4月7日付〉