テーブルストック(株)(山梨県甲州市、中村桂社長=煮貝メーカーの(株)信玄食品社長)は、レトルトパスタ「麺QUICK」2品を新発売した。

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テーブルストック「麺QUICK」国産豚100% ボロネーゼパスタ

テーブルストック「麺QUICK」国産豚100% ボロネーゼパスタ

テーブルストックは独自技術を使って麺とスープが一緒に入ったレトルト麺の開発を実現、2021年から麺事業に参入した。既存の5年保存が効くレトルト麺シリーズに対し、今回の新商品は日常食としての普及を図る。麺事業2年目を迎えた中村社長に、開発の経緯と、今後の展開を訊いた。

テーブルストック・中村桂社長

テーブルストック・中村桂社長

――新発売の「麺QUICK」シリーズはレンジ対応になりました。開発の経緯を教えてください。
 
テーブルストックは「暮らし美味しくストック」をコンセプトとして、美味しさに徹底的にこだわった製品を作ってきました。おかげさまでユーザーからはご好評をいただいている一方で、「湯煎が手間なので、もっと手軽に温められないか」というお声もありました。実は2021年3月に「おいしさにこだわった保存食」シリーズを出した直後から、レンジ対応製品の検証は行っていました。レンジで温めると中の空気が抜けるという特許技術を持った包装袋メーカーと当社製品の相性が良いことがわかり、商品化に踏み切りました。
 
「おいしさにこだわった保存食」が1食600円(税抜)なのに対して、「麺QUICK」は日常的に食べていただく製品にするため、価格は350円としました。「おいしさにこだわった保存食」は非常時を想定した商品設計のため、ボリューム感がありカロリーも600kcal程のものが多いです。一方で、「麺QUICK」では麺の比率を多くし、価格と満足感のバランスを取りました。
 
内容量は200g、カロリーは400kcal前後とそこまでボリュームがあるわけではないため、主なターゲットは女性です。ランチに「麺QUICK」とサラダを組み合わせたり、小腹が空いたときの夜食として利用したりしていただきたいと思います。
 
――湯煎とレンジでは加熱の仕組みは変わらないのですか?
 
基本的には変わりません。当社の技術は、まず麺を固めのアルデンテに茹で、ソースにはでんぷんを加えてとろみをつけることで、水分が麺に移動するのを防ぎます。加熱するとまずソースが温まって緩くなり、麺に水分が入っていく――このメカニズムはレンジでも湯煎でも同じです。
 
――販売については、自社ECとAmazonで2月7日に開始すると同時に、関東のCVS(コンビニエンスストア)6000店舗での先行発売も行いました。
 
大手製粉メーカーからさまざまな麺製品が登場するなかで、レトルト麺はこれまでもなかったのですが、CVSに試食していただいた時には「想像以上のクオリティ」「非常におもしろい技術」との評価をいただきました。「店頭に置くならば普段家庭で作らないような味を」との希望もあり、プチ贅沢を味わえるボロネーゼ味・海老クリーム味両方の採用が決まりました。
 
生産は全て自社工場でやっていますが、今のところ(株)信玄食品の煮貝を製造しない時期の稼働で間に合っています。ただ、大手食品メーカーとの協業が具体的になっているなど、新規の計画はたくさんありますので、増設も具体的に視野に入れています。
 
――生産や技術面では課題をクリアしました。今後、販売面での課題は。
 
CVSの棚を1つ確保するだけでも、大変な苦労があります。
 
)ですが、ただ店頭に置いてもらうことがゴールではなく、維持しなければ消費者に定着することもありません。商品を買うまで、「1円も損したくない」というのが消費者心理というもので、まずはそのハードルをどうやって超えて購入に行きつくかが現状の課題です。我々は大手ほどの知名度もありませんし、如何にPRするか、SNSを活用しながら試行錯誤しています。ひとまず食べてもらえれば、「美味しくて便利だし、日常にあっても良いものだよね」と思ってもらえる自信はありますし、「知って食べてもらう」を積み重ねて、“日常的に食べるもの”に到達したいです。
 
――麺事業に参入してから1年が経ちました。振り返ってみていかがですか。
 
保存食業界の特徴として、製品をカタログに掲載してから注文→納品まで、1~2年の期間がかかります。昨年発売した「おいしさにこだわった保存食」の場合、実際の納品が始まるのが今年末から来年の3月末くらいというわけです。ですので、今年はテスト的な納品や自治体からの小ロット注文に対応してまいりました。現時点で既に想定以上の注文が来ているため、今後にも期待しています。
 
――保存食と一般食の両方で、かなり忙しい1年になるのではないでしょうか。
 
2つのプラットフォームから商品を展開し、我々が開発した技術が世の中の人々にたくさん知られて、日常的に買っていただけるようになるのが、社会貢献に繋がると思っています。
 
最初「この業界に風穴を開けたい」と思ったきっかけが「保存食なんて美味しくなくても良い、日持ちしてすぐに食べることが出来ればそれで良い」と言われたことでした。「そんなことないだろう!」と思いましたし、災害時に美味しい食事があれば少しでも癒されます。「テーブルストックは絶対に美味しいものを作るんだ」というモチベーションのもと、ここまで来ました。多くの人に食べてもらい、当社のロゴを見ただけで「美味しいテーブルストックね!」と思われるようになれば、世の中の常識が“保存食は美味しい”に変わってきます。
 
――今後の展開が楽しみです。ありがとうございました!
 
〈米麦日報2022年3月24日付〉