練り香辛料・スパイス市場では、消費税の増税などによる生活防衛意識の高まりから低価格志向が強まる一方、シニア層を中心に原料素材にこだわった高価格帯商品のニーズも高まっているが、チューブ入りの練り香辛料では大容量・徳用製品の伸びが特に目立ってきた。

市場規模はこの10年で5倍以上の50億円規模にまで拡大したと推計され、その背景としてチューブ入りの生姜やニンニクの食卓登場頻度が上昇していることが考えられる。

特にチューブ入りのニンニクは、においのきつさなどから、従来は敬遠していた女性も積極的に使うようになり、若年層がいる家庭を中心に炒め物全般へ料理用途を広げ、売り上げを伸ばしている。

この傾向をうけ、シェア上位のエスビー食品やハウス食品は、大容量・徳用のラインアップ強化およびチューブ容器の改良により使い勝手を向上。さらには生鮮からの流入に対応した値ごろ感プラスアルファの価値提案を進めている。

現在、わさびを中心とした練り香辛料市場の市場規模は年間約280億円と推計される。分母の大きなわさびは、きざみわさびの定着などから肉への用途拡大はあるもののインバウンド需要の減少が響き、売れ行きは鈍化傾向にある。対照的に、生姜やニンニク、梅・しそ、ゆず、レモンなどは、さまざまな用途提案が功を奏し、好調な推移だ。

新型コロナウイルス感染拡大を機に内食化傾向が強まり、家庭内調理の機会も増えたことで練り香辛料・スパイスの需要は急激に増えている。これを受けてエスビー食品では、チューブ入り香辛料のバラエティ化を推進。「きざみみょうが」(38g、190円、以下すべて税別)、「紅しょうが」(38g、125円)を2月8日に新発売する。新たな素材を加え、需要活性化を促す考えだ。

生鮮みょうがの青果卸売市場での取り扱い量は大葉の約1.4倍あるが、日持ちしにくい、旬が限られて年中使えない、価格が高いなど生鮮への不満があったという。同社へ商品化を求める声が多く寄せられてきたこともあり、チューブで生鮮の不満を解消できる可能性があると判断した。

また、紅しょうがについては幅広いメニューで使われているが、「汁がたれる」「使いたいときに家にない」といった不満が根強いことから、同社では「手軽にいつでも使えるちょい足し商品として価値を提供したい」という思いで商品化に至ったという。

一方、ハウス食品は2月8日からペースト状のチューブ入り調味料「きざみ紅しょうが風ペースト」と「かぼす&すだちペースト」を、全国のスーパーなどで発売する。オープン価格(参考小売価格125円)。

かぼす・すだちや紅しょうがといった使いきれずに余らせてしまいがちな生鮮食材をチューブ入り製品にすることで、ロスなく、刻んだり絞ったりする手間もなく使うことができるというもの。ペースト状なので薬味としてだけでなく、料理に混ぜる、のせるなど、さまざまな用途で利用可能だ。

「きざみ紅しょうが風ペースト」は、きざみ感が味わえる紅しょうが風味のペースト。特許出願中の独自技術により、調理の際もきれいな紅色が保持されやすい。内容量38g。

また、「かぼす&すだちペースト」は、大分県産のかぼす果汁と徳島県産のすだち果汁をブレンドし、さっぱりとした爽やかな風味が特徴。かぼす・すだち好きな人はもちろん、食べ慣れていない人でもおいしく食べられるよう仕上げたという。内容量40g。