間もなく、東日本大震災から丸8年になる。この8年間で、震災被害からの復興は進んでいるが、今現在でも避難生活を余儀なくされている人々がいることには心が痛む。一方、企業経営側から見れば、いざという時にも事業継続を図る準備は常日頃から取り組んでおく事を改めて認識しなければならないだろう。
 
大震災では、米麦関係企業も被害に遭った。それを助けたのは、国の力もあったが、同業他社の協力が何にもまして助けになったという。東北地域の製粉企業は、仙台サイロの被災によって原料確保が途切れ、1週間程度の操業停止に追い込まれていたが、複数の同業他社が原料小麦や燃料を緊急搬送してくれたおかげで、急場を凌げたという事例もある。
 
災害対応に詳しい専門家によると、こうした災害でも事業継続を図るには、製造拠点の分散化もしくは、同業他社も含めた協力関係の構築が有効だという。特に中小企業の場合は、1社1工場体制がほとんどであり、勢い同業他社との常日頃の信頼関係構築が第一に必要になってくることになる。米麦は主要食糧であるため、それぞれ備蓄制度があるが、臨海サイロ・倉庫だけではなく、災害対策の面から、コストは掛かるが内陸に備蓄サイロ・倉庫があることが望ましい。もちろん効率的ではない。製造拠点を複数設けることも、もちろん効率的ではないが、事業継続のためには、非効率な仕組みが、いざという時に役立つことも認識する必要がありはしないか。
 
〈食品産業新聞 2019年3月7日号〉