世界最大手の食肉加工企業JBSが、ランサムウエアによるサイバー攻撃を受け、北米や豪州の食肉工場の操業が一時停止となった。米子会社のJBS USAは、身代金として1100万ドル(約12億円)を支払ったという。大部分の工場の操業停止は数日間にとどまったものの、問題が長期化すれば、世界の食肉製品の供給が寸断され、価格高騰の恐れもあった。
 
個人的にサイバーテロというと、金融機関の個人情報の漏洩や防衛産業、エネルギー産業への攻撃といったどこか遠い分野のハナシと思っていた。だが、食品産業のグローバル化、IT化が進展した現在、産業へのサイバー攻撃は世界の食料需給にさえ直結する問題だと今更ながら思い知らされた事件だった。
 
ある世界大手の食品メーカーの知人も「明日は我が身の問題」として深刻に受け止めている。
 
コロナ禍による巣ごもり需要の影響で、EC市場への注目が高まっている。富士経済の調査では、2021年の通販・EC市場規模は前年比10%増の15兆円、2022年は9%増の16兆円規模まで拡大するとしている。当然、ネットを通じて買い物が便利になる分、情報セキュリティリスクの高まりも懸念されている。
 
最近は自分にも有名な通販サイトのなりすましメールが来るようになった。サイバー攻撃とセキュリティ対策はいたちごっこと言われ、なかなか素人には難しい部分も多いが、ここは改めて情報セキュリティ問題に関心を向けていきたい。
 
〈食品産業新聞 2021年6月17日付より〉