ポコラート世界展「偶然と、必然と、」(アーツ千代田3331、東京都千代田区、9月5日まで)を8月初旬に訪れた。
 
「ポコラート(POCORART)」とはPlace of“Core+Relation ART”「障がいの有無に関わらず人々が出会い、相互に影響し合う場」であり、その「場」を作っていく行為を示す名称だという。
 
数年前に、友人に誘われ「ポコラート」全国公募展を鑑賞した際、作者の緻密なタッチや長時間にわたってコツコツ描き続けた模様、カラーボールペンだけで作る発想力などを見て感銘を受け、毎年展覧会があるたびに訪れるようになった。ただ、それは努力する作者の姿を思い浮かべて応援したい気持ちが強かった。
 
しかし、今回の世界展は違った。美術に詳しくないが、内面に訴えかける強烈な作品が多かった。たとえば武田拓さんの作品「はし」は、割りばしをかごへ差し込み続けることで樹氷のように見える。差すことや集めることを繰り返すうちに日常空間がアートの世界になると感じた。
 
作品に没頭できたのは展示方法の工夫も大きい。従来のような作品を一堂に集めた展覧会でなく、テーマごとに作品を陳列し、印象的な解説と照明をあてた。
 
食品企業では、サステナビリティ活動に注力する動きが盛んだが、ダイバーシティ(多様性)の取り組みは少ない。ポコラート作品の鑑賞は、多様性を知る上で、学ぶのではなく、直感で知るチャンスなのでおすすめしたい。
 
〈食品産業新聞 2021年8月19日付より〉