〈シグナル〉ミールキットとの1年

 
この1年の家庭での食生活を振り返ると、改めてミールキットのお世話になったと感じる。
 
二人暮らしの中で、仮にきちんと料理を作ろうと思うと、肉や野菜を買いそろえなければならない。野菜は一種類というわけにはいかない。毎日、何かしら料理を作っていれば、残った野菜の活用方法はあるだろうが、1週間に1、2度しか作らない我が家では、どうしても野菜など食材を使いきれず食品ロスが多かった。仮に、野菜を余らせないように鍋一つ分を作れば、一部を冷凍しても、1週間の半分は同じ料理を食べ続けることになる。
 
そうした中で、あるメーカーの新商品発表会で見たミールキットを早速購入してみると、本格的な料理が簡単に、そしておいしくできた。その上、使い切り、食べきりで食品ロスもない。私達のような少人数世帯にとっては、願ってもない商品だと思う。
 
年末が近づき、改めて量販店をのぞくと、肉売り場、魚売り場の近くに冷凍ケースが増えており、さまざまなミールキットが並ぶ。量販店で買うだけではなく、生協、通販サイトでの購入も多く、ネットでは各通販サイトでの商品の比較も盛んに行われている。また、家電量販店では、冷凍庫を大型化した冷蔵庫が売れていると聞く。
 
この1年の家庭内調理から、徐々に料理疲れが見られ、最近は手軽な惣菜への移行も言われる。その中で、簡単においしく、そして食品ロスもないミールキットは、2022年も目が離せない。
 
〈食品産業新聞 2021年12月20日付より〉