〈家飲み需要の拡大が追い風に〉
新型コロナウイルスによる外出自粛の影響で家飲み需要が拡大し、それに伴いおつまみ商戦が活発化している。

マイボスコムが2020年6月1〜5日にかけて、20〜70代の男女計1万213人を対象に行ったインターネット調査によると、自宅でお酒を飲む人のうちおつまみを食べる人は9割強、そのうち「必ず食べる」は62.9%となり、2017年時の57.6%から増えている。

2020年3〜6月の小売店の売り上げをみると(KSP―POS)、アルコール飲料は金額前年比5.9%増、数量8.5%増。同期間の珍味カテゴリーの推移は金額13.7%増、数量12.7%増と大幅に伸長しており、スナック菓子やチーズなど、他カテゴリーにおいても、おつまみ需要が拡大していることが推測できる。

このような状況下、菓子・食品メーカー各社では、おつまみ用途の新商品開発や販促キャンペーンを積極的に展開している。

ネスレ日本では、チョコレート菓子「キットカット」ブランド初のおつまみ菓子として「キットカット スナックス」を7月20日に全国CVSで発売。39.5g、希望小売価格198円(税別以下同)。

ボールタイプの「キットカット」、塩ローストアーモンド、コクのあるチーズ風味の大豆の3種アソートとした。家庭内での飲食機会の増加やオンライン飲み会などの広がりをうけて開発した。ネスレ日本は、「さまざまなドリンクメニューのおつまみとして楽しんでいただくうえで、これら3種の素材の組み合わせがベストだと考えた。チョコレートと塩味のある素材を組み合わせた製品は(市場全体でも)あまりないため、この製品はカテゴリーを活性化させる可能性がある」と期待を寄せる。

森永製菓は、チョコレート菓子「大玉チョコボール」に使うピーナッツを商品化した「チョコボールのなかみ うましお味」「同 塩キャラメル味」をこのほど発売した。

「大玉チョコボール」は、30〜50代男性の需要が全体の約30%を占め、自分自身のために購入する割合が高いことから開発したもの。「大玉チョコボール ピーナッツ」に使うピーナッツに小麦粉と糖蜜をまぶして焼き、チョコ掛けせずに商品化した。つまみにも合う「うましお味」「塩キャラメル味」の投入で、ブランドの新たな需要喚起を図る。各38g、100円。

〈定番おつまみも一層の認知拡大を目指す〉
缶詰では、国分グループ本社の「缶つま」が今年10周年を迎え、菊水酒造とのコラボキャンペーンを実施。「ふなぐち」に合う「缶つま」を一般投票で決定し、“缶詰博士”こと黒川勇人氏が選んだ賞品を抽選で贈呈する。「おつまみ缶詰ナンバーワンとして、家飲みを盛り上げるとともに、カテゴリー全体の活性化に寄与したい」(国分グループ本社)。

明治屋は、人気の「おいしい缶詰」から「大人のプレミアムコンビーフ(燻製風味)」を8月7日に発売する。同シリーズ人気ナンバーワン商品の「プレミアムほぐしコンビーフ(粗挽き黒胡椒味)」に、ウイスキーなど酒類と相性のいい燻製風味を効かせて仕上げたもの。牛肉の赤身肉を使用し、一缶ずつ手詰めしており、粗めにほぐすことで食べ応えを高めた。90g、580円。

鈴商が取り扱うビーフジャーキーの「テング」は、家庭用の売れ行きが好調。4〜5月は業務用の低調が響いたが、6月は大きく上回り、4〜6月累計では全体で前年並みまで回復した。「販路やエリアにより売れ行きに差が出たが、家庭用が想像以上によく売れている。これを機にブランドの認知拡大を図りたい」(鈴商)。

〈食品産業新聞 2020年7月20日付より〉