日清オイリオグループは17日、17年度第2四半期決算説明会を本社で開き、今年度からスタートした中期経営計画(17~20年度)の進捗状況と、決算概要を説明した。その中で、久野貴久社長(写真)は中期経営計画について、ISF社(マレーシア)を核とするグローバル展開や、国内油脂事業での「かける」オイル提案、MCT(中鎖脂肪酸油)の認知向上の取り組みなどに着手し、順調な進捗をみせているとの認識を示した。また、通期営業利益目標100億円の達成のため、食用油価格の適正化と、高付加価値製品の構成比を高める取り組みが重要との認識を示した。

〈「かける」オイル提案、MCTの認知向上、油価適正化に努める-久野社長〉

久野社長は中期経営計画の進捗について始めに、加工油脂事業の中核となるISF社のグローバル戦略について言及した。「パーム油分別技術などの活用により製品の付加価値を高め、さらに当社の分析技術、生産技術の導入を続けることにより、ISF社の製品は機能面だけではなく、品質面からも欧米の顧客から高い評価を得ている。特にパーム油の微量成分のコントロールと、これに基づく高い水準の製品規格が要求されており、昨今ではサステナビリティへの要求も高まっている。これに応えていくことで、グローバル展開の上で、当社の差別化につながっていると考えている」との認識を示した。

さらにISF社のグローバルサプライチェーン拡充の一環として、欧州に精製拠点を設置し、顧客対応の柔軟迅速化を図ることや、中国では顧客サポートの充実を目的に、上海に販売物流拠点を設置し、事業拡大を加速していく考えを示した。また、インドネシアにおけるチョコレート工場は、11月上旬に建設を開始し、19年初頭の稼働を目指す考えを示した。

国内の油脂事業の展開では、積極的に「かける」オイル(鮮度のオイルシリーズ)の提案・市場作りに努めてきたことを強調した上で、今後も新たらしい提案を行っていく考えを示した。また、顧客の問題・課題を解決するソリューション型営業の展開では、家庭での調理の課題を解決する商品として「揚げずにから揚げオイル」を今秋発売したことを挙げ、中食・外食市場においても積極的にソリューション提案を行っていくとした。

植物油の健康評価が高まりをみせる中で、食用油の価値を高める情報発信の取り組みとしては、「かける」オイルを体験できるイベントを継続的に開いていることを紹介したほか、MCTについては今年度から、スポーツに取り組む体作りをターゲットにした商品展開を行うと共に、10月からはサッカー日本代表の長友佑都選手をCMに起用するなど、さらなる認知向上と販促につなげていく考えを示した。続いて、第2四半期決算(既報、売上高7.6%増の1,667億6,100万円、経常利益12.4%減の44億8,500万円)について久野社長は、国内油脂事業では高付加価値カテゴリー商品の拡販を進めると共に、原料価格上昇に伴う販売価格の是正に取り組んだが、9月末の段階では完全に進捗せず、減益になったとした。一方で海外を含む加工油脂事業は概ね前年並みの利益水準に達したと評価した。

その上で、久野社長は通期見通しについて、「営業利益は当初計画通り100億円を見込んでいるが、今期計画の達成に向けた最大のポイントは、(食用油の)適正価格の実現と思っている。10月からキロ20円、業務用斗缶300円の値上げをお願いしており、これまでのところ家庭用、業務用、加工用それぞれで進捗の差はあるが、全体的にはお客様の理解が得られていると考えており、市況も確実に上昇している。これに加えて、これまで継続してきた高付加価値製品の構成比を高めていくことで、目標利益を確保できると考えている」との認識を示した。

〈大豆油糧日報2017年11月21日付より〉