日本豆腐協会は16日、新年研修会と賀詞交歓会を開催した。研修会では食品産業センターの宮本浩行技術環境部次長が、HACCP基準Bの手引書策定について、豆腐公正競争規約設定委員会の村尾誠議長(さとの雪食品・常務)が、とうふの表示に関する公正競争規約進捗と今後のスケジュールについて報告した。

研修会に先立ちあいさつした、棚橋勝道会長は「昨年末の日銀の発表によれば、大手製造業においては緩やかな回復基調としているが、食品業界では実感しづらい。食品業界は保守的で、変化が激しい時代にあっても、時代の変化に対応する柔軟性が欠けている面もある。また数日前に米国の自動車製造GM社が、19年にハンドルもブレーキもない自動運転車を作ると発表した。もう来年の話で、イノベーションが早い。豆腐業界では豆腐公正競争規約設定委員会が20回も委員会を重ねてきた。消費者にとって意味のあるものでなければならない。業界が1つにまとまり、熟成させる課題などもあるが、意味のある一年にして、前進していきたい」とあいさつした。

〈業界団体が手引書を作成、煮沸時間や温度を管理・記録-食品産業センター・宮本次長〉
研修会では食品産業センターの宮本次長が「HACCP基準Bの手引書策定について、小規模な豆腐製造事業者向け」について説明した。宮本次長は「厚労省では、HACCPの制度化を進めている。衛生管理を実行可能な範囲で制度化する。一次産業以外のフードチェーン全体で取り組む必要があり、食品衛生法に関わる全ての事業者が対象になる。一般衛生管理を実行可能性のある仕組みにする上で、HACCPを取り入れた衛生管理が義務化、制度化されることがポイントになる。

原則は基準Aになるが、大手企業では導入されているが、中小企業では35%程度なので、実行可能な基準Bを設けている。基準Bでは業界団体が手引書を作成し、衛生管理計画を策定する。豆腐の業界では手引書案の段階で指導事項が少なく、精度が高いものになっている」と話した。

豆腐製造事業者向けの基準Bでは、製造に携わる従業員が100人以下を対象としており、多くの豆腐製造事業者が対象となるとした。事業者は衛生管理計画の作成、実施、確認・記録を実施し、重点管理として、大豆の煮沸温度、時間の確認、充てん豆腐の加熱、凝固温度、時間の確認、販売ケース、冷蔵庫、冷却槽の温度確認を上げている。また記録の保管は1年間程度を推奨している。

今後は厚労省の技術検討会で2月中に審議を終了し、3月に事業者に配布する予定とした。

〈消費者の選択機会、事業者の公正な競争を確保、市場拡大の可能性〉
村尾議長は豆腐公正競争規約の進捗と今後のスケジュールについて報告した。村尾議長は「豆腐業界は厳しいと言われている。この2~3年でも多くの事業者が廃業や倒産、事業停止し、市場規模では80億円程になる。大手1社が無くなったようなものだ。その分は、安心・安全・安定供給が可能な事業者に引き合いがいく。公正競争規約は消費者のための分かりやすい表示だが、事業者が消費者に豆腐の違い伝えれば、無意味な価格競争もなくなるのではとの思いもあり議論が始まった」と公正競争規の意義について述べた。

公正競争規約では、豆腐の定義・分類、必要表示事項、不当表示の禁止など定めることで、消費者による自主的かつ合理的な選択機会、事業者の公正な競争を確保するものだとした。さらに事業者においては、カテゴリーが増え、売場や市場が広がる可能性があるとした。また事業者間の住み分けができ、無意味な価格競争が減少し、日本の豆腐規格が国際標準規格になる可能性もあるとした。

今後は4月中旬までに中間とりまとめを行い、消費者庁に中間報告、6月に公正取引準備協議会を設立し、規約、施行規則の再審議を行い、19年1月に事前申請、3月に表示連絡会を開催し、6月に認定申請を行うとした。

〈大豆油糧日報 2018年1月22日付より〉