〈大豆ミートビジネス最前線〉アジテック・ファインフーズ、台湾に30年以上輸入、乾燥大豆ミートは国産原料にこだわり自社で製造

アジテック・ファインフーズ大豆ミート(業務用ミンチタイプ・フィレタイプ)
アジテック・ファインフーズ(岩手県釜石市)は元々、新日鐵釜石製鐵所の新事業部門として立ち上がり、工場を設けて大豆ミートのハムをつくりはじめた。その時から台湾向けが主力で、現在も国内と台湾の売上比率は半々だという。

台湾は仏教徒を中心に2割ほどが菜食主義者のため、大豆ミートの市場があり、同社は30年以上前から輸出してきた。2年前には工場を移転し、発芽玄米工場の横に、大豆ミートの新工場を設立した。両工場ではお互いの作業員が行き交い、発芽玄米工場のレトルト用の釜を用いて、大豆ミートでも一部レトルト処理が可能になったという。

5年ほど前には、乾物大豆ミートのニーズも高まってきたことから、乾燥設備を導入し、乾燥大豆ミートも製造し始めた。加工品には米国産や中国産の大豆を使っているが、乾燥大豆ミートは国産原料にこだわり、「国産大豆ミート」を商品名にしている。北海道産の大豆を原料としており、自社で圧搾、脱脂、粉砕、乾燥、高温・高圧をかけて膨化させ、連続的に大豆ミートを製造している。

脱脂大豆を加工した大豆ミートは、油を搾る段階で溶剤抽出しているが、同社の大豆ミートは圧搾のみを行っており、「素材の変質を最小限に抑えている」という。特徴として、大豆臭が少ないことを強調する。

ハンバーグやミートソースなどの挽肉料理に使えるミンチタイプ、焼き肉や生姜焼きに使えるフィレ肉タイプ、ほぐしたササミやツナのように使えるササミタイプをラインアップしている。それぞれ、お湯で5分間茹で、水洗いと絞りを2~3回繰り返して使用するドライタイプと、湯戻し作業が省ける冷凍タイプをそろえている。

〈大豆油糧日報2020年5月13日付〉

アジテック・ファインフーズ大豆ミート(小売用)

アジテック・ファインフーズ大豆ミート(小売用)