新型コロナウイルスの影響により、4月の外食企業の多くが大きな打撃を受けた。その一方で、目立って好調だったハンバーガーチェーンは5月、大豆などの植物性由来のパティを使ったハンバーガーの新商品投入や全国展開を開始した。海外では昨年、マクドナルドやバーガーキングが植物肉バーガーを販売し話題となった。

ヴィーガンやベジタリアン人口、フレキシタリアンも多い欧米に比べると、日本において植物肉バーガーはまだまだ一般的ではないが、業態としての調子がいい現在の状況は定着に向けたチャンスでもある。また、新型コロナの影響で、4月にはマルコメの「大豆のお肉」が品薄状態になったという。賞味期限が1年と長く、日持ちする食品として評価された。こういった家庭用での植物性素材の需要増も追い風になりそうだ。

日本フードサービス協会がまとめた外食産業市場動向調査の4月度は全体で39.6%減と大幅に落ち込んだ。このような環境にあって、ハンバーガーチェーンの好調さは際立っている。日本マクドナルドホールディングスの4月の売上高は既存店で前年比6.5%増、モスフードサービスも同3.7%増だった。他業態よりもテイクアウト比率が高いことや、複数よりも一人で行くことが多く、3密を避ける時には利用されやすいこともあるのだろう。

モスフードサービスは5月21日から、全国のモスバーガー店舗で、動物性食材を使わず、大豆由来のパティと野菜と穀物を主原料に使ったハンバーガー「MOS PLANT-BASED GREEN BURGER 〈グリーンバーガー〉」(538円、以下税別価格)を発売した。野菜と穀物で商品づくりを進め、「おいしさにこだわり抜いたため、商品開発には1年半を要した」(同社)という。「グリーンバーガー」は3月26日から東京や神奈川の9店舗で先行販売し、初日に店舗平均30個以上を売り上げた実績を持つ。発売以降、動物性食材を使用しないバーガーの商品化に対する喜びの声や全国販売の要望が複数寄せられなど、大きな反響があったとしている。

それと合わせて、15年から販売してきた大豆を主原料とした「ソイパティ」の定番11商品もリニューアルし、「グリーンバーガー」のために新開発したパティに変更している。

〈各商品ヘルシーでありながら食べごたえを実現、満足感のある味わいに〉
ロッテリアは昨年5月から7月までの期間限定で、大豆を使用した「ソイ野菜ハンバーガー」(370円)を販売した。女性客を中心に30~50代男性客にも好評だったという。今年は「ソイ野菜ハンバーガー」のオリジナル「ソイパティ」をリニューアルし、「ソイ野菜チーズバーガー」(390円)を新たにラインアップし、5月11日から9月下旬までモーニングメニューとして販売を開始した。ヘルシーでながら食べごたえも実現しており、「ソイ野菜ハンバーガー」のカロリーは約260kcal、「ソイ野菜チーズバーガー」も約302kcalと、畜肉のパティと比べて低カロリーなのが特徴だ。

ハンバーガーチェーンに限らず、植物肉バーガーの露出は増えている。フレーバーワークスが都内で展開する洋風総菜店「CITY SHOP」は、初のハンバーガーメニューとなる「CITY BURGER」を発売した。「ベジー バーガー」(900円)・「ベジー カツレツバーガー」(1,000円)のパティには大豆中心のベジミートを使用し、ソースにはクリーミーな豆腐みそを効かせ、ヘルシーながらも満足感のある味わいに仕上げた。

今年に入って大手食肉メーカー各社が代替肉市場に本腰を入れ始めた。伊藤ハムは昨年秋の業務用に続き、今春から家庭用でも商品展開を開始している。同社グループの伊藤ハムフードソリューションは今春、JR東京駅構内で大豆ミートを使ったオリジナルメニュー21品を販売し、中でも「大豆ミートのハンバーガー キーマカレー」を一押し商品としてアピールした。

〈大豆油糧日報2020年5月27日付〉