やまみ 売上高16.2%増、内食需要増加や同業者廃業で/2020年6月期決算説明会

やまみ・山名清社長
〈富士山麓工場の償却費重く大幅減益、単価改善の取り組み継続〉
やまみは8月19日、2020年6月期決算説明会をオンラインで開き、山名清社長が、前期業績をふり返るとともに、今期業績予想、今後の事業展開について説明した。富士山麓工場の動向についても言及した。

2020年6月期決算は、売上高は前年比16.2%増の126億4,400万円、営業利益は同61.5%減の3億6,200万円、経常利益は58.0%減の4億900万円の増収減益だった。山名社長は増収要因について、「前半の7~12月も伸びていたが、特に後半(第4四半期は27.6%増)は新型コロナ感染予防による内食需要増加の影響があったと見られる。また、広島と名古屋で同業2社の廃業があり、当社がその受け皿となった」と説明した。他方で利益面は、2019年12月に本格稼働した富士山麓工場(静岡)の減価償却費が大きく、大幅減益での着地となった。

拠点別の前期実績は、富士山麓工場は当初予定よりも関東市場での展開が遅れ、「第4四半期でようやく月6,000万円程度の売上が出るようになり、トータルでは2億7,300万円に留まった」と述べた。また、同工場は前期約7億円の赤字となる、厳しい状況だった。

本社(広島)、関西(滋賀)工場はともに増収で、利益面は「関西工場は、取引先の要望を受け、新ライン(食用おから設備)を設置したことで減価償却費が増加し、わずかに減益となった」とした。

取組面では、強みとする差別化商品を中心とした単価改善に取り組んだ。これにより、平均販売単価を前年比7.1%上昇させながら、販売数量は9.0%増となった。「当社しかできない自動化による焼豆腐(売上高48.0%増)は、ボリュームはまだ小さいものの、伸びしろがある。また、カット3P豆腐(同18.2%増)、べに花油の油揚げなど付加価値商品を中心に引き続き伸ばしていく。従来からの稼ぎ柱である絹厚揚げ、木綿厚揚げも強化していく」との考えを示した。

〈充てん豆腐のライン新設、関東での重点商品に位置付ける〉
設備投資状況については、取引先の要望を受けて、富士山麓工場に充てん豆腐ライン(2020年4月稼働、生産能力は1万2,000個/時)を新設したことなどで、「前期の設備投資額は50億円を超えたが、十分な設備内容となった。成長期の設備投資に踏み込んだところから、次のステップである設備を生かして利益貢献していく体質に変わっていけるのではないか」と述べた。

さらに同社は、2022年6月期を最終年度とする中計を見直し、新中計(2023年6月期までの3か年を対象)を発表している。初年度の今期は、売上高130億2,000万円(前年比3.0%増)、営業利益4億6,100万円(27.2%増)、経常利益5億100万円(22.3%増)を計画している。

中計を見直した理由については、首都圏市場向けの開拓や、おからパウダーなどの浸透が遅れていることを考慮したという。山名社長は今期計画について、「売上高は、新型コロナによる需要増の影響が無くなる可能性を盛り込んだ。また、富士山麓工場で製造する商品も(導入の)内定が出ているが、実際に納品がまだ始まっていないことも加味し、保守的な数字とした」と述べた。さらに、おからパウダーは、「ブームの中で投資をしたが、ブームが去ったような格好になってしまった。しかし、売場の棚には残っているため、今後は徐々に増えていくだろう。業務用については、遅れてはいるが、海外展開の話もある」とした。

今後の事業の取り組みについては、全工場ともライン新設の予定はなく、設備改善のための投資が中心になるとし、「今期以降は、キャッシュフローの改善に伴い、財務体質の強化ができる」と述べた。

今期重点商品として、関東市場をターゲットとした、富士山の湧水を利用したカット豆腐「湧々とうふ」(80g×4P、2P)、充てん豆腐などを挙げている。「“湧々とうふ”はたくさん引き合いを受けている。充てん豆腐も徐々に売場に入っていく予定だ」と述べた。

〈大豆油糧日報2020年8月24日付〉